“キス職人”にとどまらないソ・イングク 観る人の心を掴んで離さない厳選5作
強烈な予告映像が公開され、話題を呼んでいる新作映画『オオカミ狩り(原題)』。今月韓国での公開が予定されており、トロント国際映画祭にもノミネートされたと報じられている。本作で主演の1人を演じるのが、ソ・イングク。一度見たら忘れられないほどの鋭い目の演技で予告に登場し、つい瞬きを忘れてしまう。
本記事では、数々の名作で“キス職人”と呼ばれるだけでなく、幅広い役に完全に溶け込み、観る人の心を掴んで離さない彼の出演作を紹介したい。
『空から降る一億の星』
腕に似た火傷の傷跡を持つ男女のサスペンスラブストーリー。この世に愛着を持てぬまま彷徨い歩くキム・ムヨン(ソ・イングク)は、ある日1人の女性ユ・ジンガン(チョン・ソミン)と出会う。会ったことのないはずの2人だが、「生き別れた妹みたいだ」と言うムヨンと、彼に不愉快な感情を抱くジンガン。最初は険悪な仲だったが、次第に関係性が深まり2人の共通点が浮かび上がっていく。今にも遠くへ行ってしまいそうなムヨンと、彼が生きるための理由を一つずつ増やしていくジンガンの純愛が本作の見どころの一つ。また、“ムヨンさんにハマった女は絶対に抜け出せない”という台詞通り、底なしの魅力に引きずり込まれるような一作。視聴後ロスを引きずり続け、OST「별, 우리」を聴いては抜け殻のような日々を過ごしてしまうほど。
「消えて」と叫ばれると、本当に居なくなってしまいそうな儚さを持ち、自分から「行け」と突き放す時には「行かないで」と心の底から泣き叫んでいるように見える男性。それがソ・イングク演じるムヨンだ。感受性が豊かで、誰かの心の傷には敏感だが、自分自身の感情を表現することは少ない。そんな彼がジンガンと出会い、変化していく過程が愛おしくて切なくて堪らない。ミステリアスで孤独なムヨンの変化を完璧に演じ、美しすぎるキスシーンを生み出した彼の演技に、気づけば肩まで深い沼に浸かってしまう。
『元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜』
税金の未納を解決すべく、税金徴収局の課長と詐欺師がタッグを組む物語。税金徴収局3課の課長ペク・ソンイル(マ・ドンソク)は、毎日仕事に忙殺される日々を送っていた。ある出来事をきっかけに車を購入しようするが、詐欺被害にあってしまい犯人を探すことに。無事捕まえた詐欺師ヤン・ジョンド(ソ・イングク)から、60億ウォンの未納を解決する代わりに見逃してほしいと持ちかけられ……ソンイルは、天才詐欺師と手を組むことを決意する。相手の心理に合わせて言葉巧みに騙し作戦を遂行していくジョンドの姿や、彼とソンイルの絆が深まる過程が見どころの一つ。公務員は誰のために誰と戦い、法律は誰の味方なのかを描き出していくような一作。
ソ・イングクは、ある過去を背負った天才詐欺師を演じる。劇中では、なんといっても彼の七変化が素晴らしい。父が出した宅配を取りに行く息子から、中国で事業に成長した社長まで、相手を欺くために数々の役になりきっていく。また、外見だけでなく話し方や表情までくるくると変わるのが凄いところ。バディを組むマ・ドンソクとの絶妙な掛け合いも最後まで見逃せない。
『ショッピング王ルイ』
事故で記憶を失い無一文となった御曹司と、家出した弟を探す女性のハートフルラブコメディ。目利きの才能を持ち、ショッピング王と呼ばれるルイ(ソ・イングク)は、ある日事故に合い記憶を無くしてしまう。一方、山奥で暮らすコ・ボクシル(ナム・ジヒョン)は、家出した弟を探すべくソウルに上京することに。そこで、路頭に迷っていたルイと出会い……ひょんなことから彼と一つ屋根の下で生活をすることになってしまう。ワンコのようなソ・イングクが観れる一作で、無邪気な子犬がライオンになる階段のキスシーンは擦り切れるほど観たくなる。
怖がりで寂しがりなルイを演じるのが、ソ・イングク。心細さからボクシルにくっつき、記憶が戻るまでそばにいてほしいと伝える。記憶を失う前からの買い物癖が抜けず、ボクシルに叱られ愛想を尽かされそうになるが、謝り方がまた可愛い。困った表情を見せ、袖クイからのごめんねは破壊力が半端ないと思う。さらに、可愛いだけでなくカッコいい御曹司としての姿が観れるのも注目ポイント。キュンキュンが止まらず、疲れた時に見て元気をもらいたくなるような作品だと思う。