『田舎街ダイアリーズ』Red Velvet ジョイ、チュ・ヨンウらによる穏やかなラブコメ

『田舎街ダイアリーズ』キャストに癒される

 緑が広がる田園風景と時の流れがゆっくりと流れるヒドン里が舞台となる『田舎街ダイアリーズ』がNetflixで配信開始した。1話40分前後、全12話のミッドフォームドラマは、気軽に視聴できる上に田舎街の景気は視覚からも癒されそうだ。

 ソウルで獣医師として働くハン・ジユル(チュ・ヨンウ)は不本意ながらヒドン里にある動物病院で祖父が不在の間の2カ月間働くことに。誰かに呼ばれればすぐ駆けつけ、昼休みも退勤時間も決まっていない過酷な労働状況に早くも挫けそうである。そこで出会ったのは、“歩くお悩み解決センター”と呼ばれ、町の人たちからの信頼が厚い人気者の警察官アン・ジャヨン(パク・スヨン/Red Velvet ジョイ)。ここまでの設定を聞くと、2021年にヒットしたドラマ『海街チャチャチャ』の逆バージョンのようだ。都会的で合理主義なジユルは歯科医のユン・ヘジン(シン・ミナ)で、何でも屋のホン班長(キム・ソンホ)はジャヨンである。合わない二人が出会い、少しずつ距離が近くなっていく過程に注目したい。

 “おせっかい大魔王”のジャヨンに扮するのは笑顔が眩しいパク・スヨン。韓国のガールズグループ「Red Velvet」では「ジョイ」として活動している。合理主義で正論しか言わないジユル役には2021年にテレビドラマデビューした新人俳優のチュ・ヨンウ。ジャヨンに密かに思いを寄せるヒドン里村長の息子で青年会長のイ・サンヒョン役には、同じく2021年に俳優デビューしたペク・ソンチョル。フレッシュな顔ぶれの俳優たちが、ドタバタラブコメディを楽しませてくれそうだ。

 冒頭では都会と田舎の違いを見せるシーンが流れる。例えば、野良犬に罠を仕掛けるのは都会では動物保護法違反であり得ない光景であるが、飼養しているニワトリを食べられた田舎の村人にとっては、生活をおびやかす動物は敵である。そしてヒドン里の婦人会のメンバーがよかれと思っていきなり押しかけてきたことをジユルは不法侵入だと言う場面も。

 婦人会メンバーのチャ・ヨノンは、『私たちのブルース』(2022年)でベテラン海女パク・へジャ役を演じていたパク・ジア。同作で、プルン村に住む人たちは下着の数まで知っている仲だとチョン・ウニ(イ・ジョンウン)が言っていたことが思い出される。確かにヒドン里もプルン村でもプライベートは全く保証されない。けれど婦人会会長のチャン・セリョン(ペク・ジウォン)が言う「要らないと言われても惜しみなくあげる」の意味は、食事のおかずだけなく優しさや愛情も同じことだろう。うっとおしくもあたたかさを感じる瞬間がやってくるはず。

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