『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』北米No.1の快挙 ジャンプアニメが国内外を席巻

『ドラゴンボール超』北米No.1の快挙

 2022年8月、『週刊少年ジャンプ』が日米の映画興行を席巻している。『ONE PIECE FILM RED』が日本国内で興行収入92億円を突破し、もうすぐ100億円に到達しようという中、北米では『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(2022年)が大ヒット。8月19日~21日の週末興行ランキングでNo.1を獲得した。

 『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は北米3018館で公開され、3日間で2010万ドルを記録。前作『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年)の初動成績が1238館で981万ドルだったことを鑑みると、公開規模を拡大し、さらなる勝負に出た戦略が功を奏したということだろう(なお前作はFUNimationの配給扱いだったが、同社はクランチロールにブランドを統合している)。

 本作は『ドラゴンボール』映画シリーズの第21作で、日本では6月11日に公開されるや初登場No.1を獲得。1カ月後の7月11日には興行収入20億円を突破した。しかしながら今回、北米ではわずか3日間で27億円を稼ぎ出し、日本興収を早くも上回っている(1ドルあたり137.14円換算 ※8月22日現在)。北米映画市場の大きさを改めて思い知るところだ。

 観客の男女比は男性が75%、女性が25%。年齢層では18歳から35歳までが全体の70%を占めた。ちなみに北米でも324館でIMAX上映が行われており、3日間で約340万ドルという好調な成績を記録している。

 昨今、北米では日本のアニメ映画/漫画原作映画がヒットするケースが増えており、3月には『劇場版 呪術廻戦 0』(2021年)が初動3日間で1481万ドル(2286館)、2021年4月には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)が同じく3日間で2123万ドル(わずか1614館)を記録した。特徴はマーベルやDCのスーパーヒーロー映画に似ており、公開直後にファンが詰めかけ、その後の下落率が高くなりやすいこと。『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』も今後の推移に注視が必要だ。

 『ドラゴンボール超』に敗れ、第2位での初登場となったのは、イドリス・エルバ主演のサバイバル・アクション『ビースト』。イドリス演じる医師・ネイトが2人の娘を連れて南アフリカを訪れ、人間を憎む獰猛なライオンとの戦いを繰り広げる。配給のユニバーサルは3743館と大規模公開に踏み切ったが、3日間の興収記録は1157万ドル。製作費は約3600万ドルと抑え目だが、いささか厳しいスタートと言うほかない。

 本作はRotten Tomatoesで批評家スコア66%、観客スコア77%を記録。出口調査に基づくCinemaScoreでは「B」評価となった。ライオンが人間に襲いかかるホラー/パニック映画として見れば、観客評価は良い滑り出しとなったため、口コミや今後のデジタルリリースでどこまで追い上げられるかがカギとなるだろう。日本公開は9月9日だ。

 『ドラゴンボール超』『ビースト』の初登場により、今週の第3位以下は先週から基本的に2ランクずつ繰り下がる結果となった。しかし、そんな中でやはり気を吐いているのが『トップガン マーヴェリック』である。北米興収は6億8337万ドルに到達し、とうとう『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)を抜いて歴代第6位となった。

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