古川琴音、デビューから4年も「ほとんど変化はない」 演技は“いま感じていること”を大切に

古川琴音、デビューから4年の変化を語る

 道枝駿佑(なにわ男子)と福本莉子がW主演を務める映画『今夜、世界からこの恋が消えても』は、眠りにつくと記憶を失ってしまう、実在する難病「前向性健忘」を患ったヒロイン日野真織と、そんな彼女を献身的に支えるも、自らも大きな秘密を隠し持っている主人公・神谷透の儚くも切ない愛を描いたラブストーリーだ。そんな本作のキーパーソンとなるのが、古川琴音が演じる綿矢泉。透と真織の同級生で、真織が「前向性健忘」を患っていることを知る数少ない人物だ。連続テレビ小説『エール』(NHK総合)やドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)、映画『偶然と想像』など話題作への出演が続く古川に、「演じるのが難しかった」という本作の経験から、自身の高校時代や転機となった作品まで、話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

高校時代は「“ザ・優等生”だった」

ーーネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けないのですが、後半の畳みかけるような展開に圧倒されました。古川さんは作品をご覧になっていかがでしたか?

古川琴音(以下、古川):自分が出ているのでどうしても客観的に観れない部分があるのですが、今年に入ってから撮影したばかりだったので、いろんなことを考えながら観ました。でもやっぱり、透(道枝駿佑)と真織(福本莉子)の2人がすごくきれいだなと思いました。

ーー道枝駿佑さんと福本莉子さんとは今回が初共演になるんですよね。

古川:お二方とも初共演でした。莉子ちゃんに関しては、三木孝浩監督の『思い、思われ、ふり、ふられ』を観たときに、すごく瑞々しくて爽やかで、儚いイメージがあったんです。でも実際にお会いしたら、儚い部分だけではなくて、すごく芯のある、強さのある人だなと思いました。結構ハキハキしていて、自分の考えもしっかり持っている印象です。道枝くんは年が6つぐらい下なんですけど、彼も本当にしっかりした人で。2人ともすごく大人っぽいなと思いました。

ーー6歳年下の道枝さん、4歳年下の福本さんと同級生役でも、全然違和感がありませんでした。

古川:まだまだ高校生役がいけるとは思っていないんですが(笑)、私も今回は久々に制服が着れることがすごく楽しみだったんです。やっぱり現役の高校生と話すときは、テンポ感だったり興味関心のあることが違ったりするので、演じる上では自分の過去を掘り下げて、その年代に歩み寄ることが必要かなと思っているんですけど、今回は撮影地が自分の母校に近かったので、そういった意味でも当時のことを思い出したりして戻りやすかったです。

ーーちなみに古川さん自身はどんな高校生だったんですか?

古川:すごく真面目でした(笑)。“ザ・優等生”だったと思います。勉強もそうですし、校則とかもきちんと守っていたので、泉とは全然違うタイプの高校生でした。

古川琴音

ーーでは、自分自身の高校時代のどのような部分を役に生かしたんですか?

古川:高校生の頃の自分とはほとんど真逆だったからこそ、客観的に見て掴める部分が多かったんです。例えば服装ひとつにしても、校則を破る人は、それなりのポリシーがあったり、自分がどうしたいかはっきりわかっている人だと思うんですよね。だからこそ自己主張ができるというか。そういう切り口から、泉の服装は奇抜な色使いだったりするので、何かから身を守っているようなファッションなんだろうなと思ったり。そういう捉え方をしていました。

ーー真織と透を見守り、応援する良き理解者となる泉ですが、2人の未来を大きく左右する重要な鍵を握る人物でもあります。

古川:真織と透の全てを知っているのは泉だけなんです。なので、2人の記憶をつなぐことが、泉の一番の役割なんだなと思って演じていました。あと泉は、真織にとっての“ナイト(騎士)”として、いろんなことから真織を守ることによって、自分自身の存在意義を保っていたところがあったと思うんです。それが、透という存在が現れたことによって、単純に悩みを共有できる相手ができたという安堵感もありつつ、どこか寂しく感じる部分も生まれてくるというか……透に真織をとられてしまうんじゃないかという嫉妬心も抱えた、複雑な役だなと思いました。

ーーそうですよね。観ていてとても複雑なキャラクターだと思いました。演じるのも難しかったのでは?

古川:本当に難しかったです。どんな人に対しても何かを隠して接しなきゃいけないのが、苦しいなと思いました。私が演じる上で意識していたのは、やっぱり真織のことを一番に考えて、その場にいることでした。泉は真織の“用心棒”的な存在なので、真織は何に困っているんだろうとか、何を補足してあげれば今日を楽しく過ごせるかなということを、常に考えるようにしていました。

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