与田祐希、江藤萌生、秋田汐梨ら 7月クールドラマで光る、注目の若き俳優たち

7月期ドラマを引っ張る、注目の若き俳優たち

 7月クールの連続ドラマも概ね出そろい、SNS上でもさまざまな意見が飛び交っている中、若手俳優たちのフレッシュな芝居が、暑い夏の一服の清涼剤となっている。ここではキラリと光る演技を見せる20代前半の俳優たちにスポットを当てて魅力を紹介していきたい。

与田祐希(22歳)

『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』(c)テレビ東京

 アイドルグループ・乃木坂46のメンバーである与田が、地上波連続ドラマ初主演を務める『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』(テレビ東京系)。BANDAI SPIRITSが制作に名を連ねているように、プラモデルを題材にした物語。与田が演じるのは、趣味嗜好に突出したものがない平均的女子の小向璃子。そんな彼女が同僚に言われた“量産型”という言葉を気にしているなか、ふと立ち寄った玩具店で“量産型ザク”を目にし、プラモデルというホビーにハマっていくことで、人間的に成長するというストーリー。

 テレビ東京の深夜ドラマだけあって、とてもエッジの効いた題材でありつつも、しっかりと日常にフィットした人間ドラマに仕上がっている。その要因となっているのが与田の素直な演技。璃子が新たなものに出会っていくなかで、乾いたスポンジのようにいろいろなことを吸収していくときのワクワクした雰囲気や、プラモデルを作るときの優しくも真剣な視線は、非常に視聴者と目線が近い。

 昨年放送された日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』(TBS系)でも出番は少なかったが、居酒屋の店員として、非現実的な設定の物語を視聴者と繋ぐような役柄を演じて強い印象を残した。現役アイドルでありながら、市井の人としてのしっかり物語になじむ姿は、どんな色にでも染まれる資質を感じる。

江藤萌生(23歳)

『運命警察』(c)テレビ東京

 テレビ東京系のオーディション番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』内の企画「女優オーディション 人生で一度くらいドラマの主役やってみませんか?」を見事に勝ち抜き、ドラマ主演の座を勝ち取った江藤。『運命警察』(テレビ東京系)で江藤が演じるのは「女優になる」という夢を持ちながら、清掃会社で働く女性・長野命。

 一度死んだ人間が所属するあの世の組織「運命警察」は「すべての人の人生は、運命によって決められており、それを変えてはならない」という掟のもと、現世で運命を変えようとする人間を取り締まる。片寄涼太演じる「運命警察」のメンバーであるセブンが、運命を変えようとする命を監視するという物語だ。

 江藤が演じる命は「女優になりたい」という女の子であり、自身の境遇と似ている部分がある。演技初経験となる江藤にとっては、非常に感情移入しやすいキャラクターではあるが、感情を吐露するシーンの演技は、演じているというよりは自身とシンクロしているようなリアリティがある。

 江藤も第2話で涙を流すシーンでは、テストから泣いてしまいカットがかかっても止まらず、感情のコントロールができなかったと話していた。まさにこうした「泣く」のではなく「泣いてしまう」というのは、演技経験が浅いからこそ生まれるものであり、観ている側もグッとキャラクターに感情移入できる。

 一方で共演した片寄は「頭の良さを感じる」としっかり芝居を組み立てる理解力も持ち合わせていると太鼓判を押していた。こうした部分がうまく融合していくと、さらに魅力が増していくのでは……と感じた。

秋田汐梨(19歳)

秋田汐梨
『彼女、お借りします』(c)「彼女、お借りします」製作委員会・ABC

 なにわ男子の大西流星が主演を務める『彼女、お借りします』(ABC・テレビ朝日)。大西扮する非モテ一直線の20歳の大学生・木下和也の元カノ・七海麻美を演じているのが女優の秋田汐梨だ。

 麻美はキュートな笑顔で男子を惑わす小悪魔系女子で、和也をわずか1カ月で振ったものの、美人の彼女・千鶴(桜田ひより)と和也が一緒にいるところを見て、意識し始める。第3話でも水着姿を披露し可愛さ全開でアピールしつつ、裏では千鶴の悪口をいうなど激しい二面性を見せる。いわゆる女性には嫌われそうなキャラクターをけれんみなく演じている。

 秋田と言えば、2019年に公開された映画『惡の華』で、伊藤健太郎扮する主人公・春日高男が思いを寄せるクラスのマドンナ・佐伯奈々子を演じている。当時15歳だった秋田は、キラキラしたマドンナ的な佇まいと、心の裏にあるダークな部分の二面性を見事に演じ切った。

 その後も、ドラマ『ホームルーム』(MBS)、や映画『星空のむこうの国』などでヒロインを演じ、着実に演技力に磨きをかけてきたが、第3話では和也の心を弄ぶかのような眩しいほどの華やかさも見せつけ、女優としてさらなる飛躍を感じさせた。

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