『L.A.コールドケース』本編冒頭映像公開 宇多丸、ダースレイダーら著名人コメントも

『L.A.コールドケース』冒頭映像公開

 8月5日に公開されるジョニー・デップとフォレスト・ウィテカーの共演作『L.A.コールドケース』の本編冒頭映像が公開され、あわせて各界著名人からの推薦コメントが到着した。

 本作は、90年代にアメリカ音楽界を激震させた、HIPHOP界の大スター“2パック”と“ノトーリアス・B.I.G.”の射殺事件を題材にしたクライムサスペンス。伝説的な二人のラッパーの死は様々な憶測を巻き起こし、対立する所属レーベル同士の報復合戦が招いた悲劇とも噂されたが、現在に至るまで犯人は特定されず、真相はいまだに深い闇に包まれている。このアメリカ史上最も「悪名高い(ノトーリアス)」と称される未解決事件の謎に迫る。

 実在した主人公の元刑事ラッセル・プールを演じたのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)などでアカデミー賞に3度ノミネートされた経験を持つデップ。ともに事件解明に奔走する記者のジャックは、『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006年)でアカデミー賞男優賞を受賞したウィテカーが演じる。監督を務めたのは、『リンカーン弁護士』(2011年)や『ランナーランナー』(2013年)のブラッド・ファーマン。本作は、米作家のランドール・サリヴァンが膨大なリサーチと綿密な取材に基づき、2002年に出版したノンフィクションを土台としている。

映画『L.A.コールドケース』冒頭映像

 公開された冒頭映像は、ノトーリアス・B.I.G.暗殺事件から9日後に起こった1つの事件から始まる。加害者は麻薬取締担当の覆面捜査官フランク・ライガ。一方、被害者のケヴィン・ゲインズもロス市警に勤務する警官だった。サザンロック・バンド、ブラックフットの曲をかけながら信号待ちをしているライガの車の隣に、スヌープ・ドッグの「Murder Was The Case」を大音量で流すゲインズの車が停まり、二人は口論となってしまう。そして、同じ警察同士だと知らずに起こった路上のいざこざは、カーチェイスのすえに殺人事件へと繋がってしまう。しかし、被害者のゲインズには一つの秘密があった。彼は警官であると同時にギャング・グループ“ブラッズ”のメンバーだったのだ。映画本編では、ロス市警とギャング、そしてヒップホップ・レコード会社の関係性や、そこに巣食う闇の正体が次第に明らかになっていく。映像の終わりに、デップ演じるラッセル・プール刑事のナレーションが流れる。「この二つの事件のせいで、俺は全てを失う。その日、あの街角で迷宮への最初の扉が開いたのだ」。事件を追い続けた実在の刑事プールが辿り着いた“真実”とは。

 あわせて各界著名人からの推薦コメントも到着した。ラッパーの宇多丸(RHYMESTER)やダースレイダーをはじめ、音楽ライターの池城美菜子、宇野維正、渡辺志保、HIPHOP YouTuberのShama Station、そして『ヘルドッグス 地獄の犬たち』や『ブラッディ・ファミリー』で知られるミステリ作家の深町秋生ら7名が、本作に対するコメントを寄せた。

コメント

池城美菜子(音楽ライター/翻訳)

四半世紀、ヒップホップ・ファンを悩ませた「未解決事件」の答えがここにある。20世紀最高のラッパー2人の殺害事件の裏に、これほどの巨悪があったとは。いまの世相にも通じる、真実を追う側と隠蔽する権力の闘いがスリリングだ。

宇多丸(RHYMESTER)

「“ビギー”ではなく“クリストファー”か“ウォレス氏”と呼べ、それが礼儀だ」……つまりこれは、口当たりのよい“伝説“などではなく、一人の青年の死が権力の腐敗によってうやむやにされたという、見過ごされてはならない社会不正の問題なのだ。そこを一歩も譲らない姿勢に、本作の高潔さがある。

宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)

2Pacについての映画はある。ビギーについての映画もある。
でも、あの銃撃事件の真相に迫った映画は本作が初めてだ。
真実を追い続ける元刑事を演じるのはジョニー・デップ。
面白くないわけがない。

Shama Station(HIPHOP YouTuber)

これは、単なる犯罪捜査映画とは訳が違う。腐敗した体制の中でも正義を貫けば、例えそれが思い描く結末とならなくとも伝説として語り継がれる。プール刑事が生涯を賭けて追求した事件解決を阻む者の正体を知れば、数々の英雄の謎の死をも理解出来るだろう。

ダースレイダー(ラッパー)

僕のような90年代ヒップホップにどっぷりだった世代なら誰もが衝撃を受けたビギー殺害事件。それを追い続けた刑事の物語はLA市警の腐敗に挑む極上のクライムサスペンスでもある。いやはやD・マック、不敵すぎる!

深町秋生(ミステリ作家)

「ゲっ! 嘘だろっ」本作を見て度肝を抜かれた。ビギーと2パックの音楽に夢中だっただけに、作中で描かれる闇の深さに背筋が凍った。『チャイナタウン』や『L.A.コンフィデンシャル』など、ロスの暗い暗い炎を描いた新たな傑作だ。今年の個人的ナンバー1!

渡辺志保(音楽ライター)

ザ・ノトーリアス・B.I.G.と2パックの暗殺事件は神話化されがちですが、派手で煌びやかなヒップホップ・シーンを襲った未曾有の未解決事件の裏側に、LA市警という大きな組織と闘いつつ真実を追い求めていた人物がいたことを知りました。なぜ権力によって事実が隠されようとしてしまうのか。入り組んだ事実が、いつか全て詳らかにされる日を願います。

『L.A.コールドケース』

『L.A.コールドケース』

■公開情報
『L.A.コールドケース』
8月5日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋ほか公開
出演:ジョニー・デップ、フォレスト・ウィテカー、トビー・ハス、デイトン・キャリー
監督:ブラッド・ファーマン
原作:ランドール・サリヴァン『LAbyrinth』
脚本:クリスチャン・コントレラス
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
2018年/アメリカ・イギリス/英語・スペイン語/112分/カラー/スコープ/5.1ch/G/原題:City of Lies
(c)2018 Good Films Enterprises, LLC.

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