璃子は成長意欲も少なくていつも定時で帰ることを目標としているようないわゆるどこにでもいる量産型女子。璃子ののんびりとしたキャラクターは、普段の与田のイメージとも近い。そのためかしっかりと役を作り込んでいるというよりも、等身大でリラックスして演じている印象を受けた。与田本人も「璃子ちゃんとはすごく近いものを感じます」と語るように、素に近い状態で演じられる璃子はこれ以上ない適役ではないだろうか（※）。

　一方で、プラモデルを組み立てるとなると、与田の目はギラギラと輝いて恍惚とした表情を浮かべることも。与田が自問自答しながら、ただプラモデルを組み立てていくだけのシーンではあるのだが、プラモデルに熱中する与田のあどけなさも相まっていつでも観ていたいと思わせられるシーンになっていた。これは与田の天性の愛らしさとしか言いようがないものだ。

　第3話、第4話ではプラモデルとの出会いから、徐々に量産型から変化・成長する璃子の姿も描かれた。特に、先輩風を振りかざして後輩の高木真司（望月歩）を矢島模型店に連れていくところは璃子の成長を大きく感じた。今後どのようなプラモデルが登場するのかというのも注目だが、璃子の精神面での成長も大きな見どころだろう。

　与田が地上波初主演に抜擢されたのは、間違いなくこれまでの多彩な演技が評価されてのこと。主演という重荷は少なからずあるとは思うが、『量産型リコ』は俳優としての集大成といえる作品になるはずだ。これを機に俳優として羽ばたいていくであろう与田の活躍に期待したい。

参照

※ https://realsound.jp/movie/2022/07/post-1081329.html

■放送情報
木ドラ24『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』
テレビ東京ほかにて、毎週木曜深夜0:30〜1:00放送
BSテレ東、BSテレ東4Kにて、毎週火曜深夜0:00〜0:30放送
dTV、ひかりTVにて、独占見放題配信
テレビ東京HP、TVer、GYAO!にて見逃し配信
出演：与田祐希（乃木坂46）、藤井夏恋、望月歩、中島歩、前田旺志郎、石川恵里加、与座よしあき、森下能幸、マギー、田中要次
企画・原案・脚本：畑中翔太（dea/BABEL LABEL）
脚本：マンボウやしろ、ゴージャス村上、オコチャ
監督：アベラヒデノブ
プロデューサー、寺原洋平（テレビ東京）、漆間宏一（テレビ東京）、山田久人（BABEL LABEL）
オープニングテーマ：樋口楓「ビューティーMYジンセイ！」（Lantis）
制作：テレビ東京 / BABEL LABEL
制作協力：BANDAI SPIRITS
製作著作：「量産型リコ」製作委員会
(c)「量産型リコ」製作委員会
公式サイト：https://www.tv-tokyo.co.jp/ryosangatariko/
公式Twitter：https://twitter.com/ryosangatariko
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