『ちむどんどん』暢子にフラレ、歌子に想われ 前田公輝演じる智の今後の行方は?
しかも歌子は、すでに智が暢子のことが好きでプロポーズまでしたことを知っている。のちに暢子が「ウークイ」のために沖縄に戻ってきた際に、彼女の口から智の告白を断ったことを聞いているものの、歌子としてはやはり複雑な気持ちだろう。ずっと幼い頃から病弱だった彼女に、その頑張りを自分だけは見ているよと言っているかのようなメダルを渡していた智。もともと病弱な母の代わりに豆腐屋を切り盛りしていたこともあって、彼の根っこはすごく優しくて、頼り甲斐のある存在なのだ。だからこそ、そういった彼の優しさが歌子にとって思わせぶりな行動に捉えられてしまった。
大人になった智と暢子が恋愛関係になれなかった大きな理由は、彼女が彼のことをそういう目で見ていなかったこと、和彦のことを前から好きだったことが挙げられるが、智の結婚観も結構深いところで関わっているような気がする。智の考えは、石川本家と同じようにザ・家父長性。嫁は「もらう」ものであり、結婚後は家のことをして、たくさんの子供を産んでもらう。無邪気に語る(暢子との)将来の理想の結婚生活に、暢子自身が思い描いた未来はなかった。数少ない女性料理人として働く彼女を応援していたかと思えば、それを“結婚するまでの期限付きでやること”と認識していた智。暢子との恋が成就しなかったのは、成就しないなりの理由があったように思える。
そんな彼は今、東京の仕事を従業員に任せて沖縄に行っているという。暢子とすれ違いを繰り返していて、少し避けているようにも感じる。その彼が歌子と再会した時、歌子はまだ智を好きでいるのか、智が歌子を好きになる展開はあるのか、彼の今後の行方が気になって仕方ない。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK