『モエカレ』消防士役、Snow Man岩本照の“かっこよさ” SASUKEで培った圧倒的な説得力

 とはいえ、やはり再現力という点で岩本が演じた蛯原の存在そのものが映画の最大の魅力だったのではないだろうか。消防士は普段から多くの訓練をこなし、過酷な現場で日々活躍している。そのため、筋肉質な肉体が役作りにおいて求められるわけだが、岩本においてそれは事前に準備する必要のないものだった。彼の筋トレ好きは広く知られており、特に年末特番としておなじみの『SASUKE』(TBS系)への出演や、番組に対する愛の強さが印象深い。2017年に念願の出場を果たしてから、2020年に悲願のファーストステージをクリア。2021年出演時にも、事前に『SASUKE』出場者である日置将士の自宅で大会のアスレチックを模したものを使ってトレーニングに挑み、多忙なはずなのに隙間時間での筋トレ、水泳の練習を欠かさないあたりに強い意志を感じた。セカンドステージにて敗退という結果になってしまったが、それでも十分“岩本照”という男のアツさと魅力を知るには十分だった。単なる話題作りとか、ちょっとかっこよく見せたいから体を鍛えるとか、そういう次元の話ではない。彼の場合、もはや『SASUKE』に人生を捧げるといっても過言ではなく、そのガッツと遂行心がアイドルとしての彼にも反映されているのだ。だからこそ『モエカレ』のような、自分自身が得意とするものを存分に発揮できる役柄で映画初主演を飾れたことは、岩本にとっても嬉しかったことに違いない。

【継承】SASUKEに人生を捧げるアイドル 岩本照

 これまでにも雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)で表紙を飾るなどSnow Manやジャニーズという側面で彼を知らなくても、彼を知り、その人間性の魅力に触れることができた。そんな岩本のさらに映画のために磨き上げられた肉体美はもちろん、俳優としての一面に触れることができる点でファンはもちろん楽しめる『モエカレ』。しかし、しっかりと恋愛映画としてキュンに溢れている点で多くの人も同じように楽しめて、生見や岩本をはじめとする出演者の魅力に気づける映画となっている。これを機に、演技の分野でも岩本の活躍を期待したい。

■公開情報
『モエカレはオレンジ色』
全国公開中
出演:岩本照(Snow Man)、生見愛瑠、鈴木仁、上杉柊平、浮所飛貴(美 少年/ジャニーズJr.)、古川雄大、藤原大祐、永瀬莉子、高杉彩良、晴瑠、笛木優子ほか
原作:玉島ノン『モエカレはオレンジ色』(講談社『デザート』連載)
監督:村上正典
脚本:山岡潤平
配給:松竹株式会社
製作:「モエカレはオレンジ色」製作委員会
(c)2022「モエカレはオレンジ色」製作委員会 (c)玉島ノン/講談社
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/moekare-movie/
公式Twitter:@moekare_movie
公式Instagram:@moekare_movie

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