『モエカレ』消防士役、Snow Man岩本照の“かっこよさ” SASUKEで培った圧倒的な説得力

 現在公開中の映画『モエカレはオレンジ色』(以下、『モエカレ』)の大ヒット御礼舞台挨拶が7月23日に執り行われた。

 映画公開時に本来行われる予定だった公開記念舞台挨拶に、主演の岩本照(Snow Man)が新型コロナウイルスの感染により欠席。そこから療養を経ての今回であるが、登壇した岩本は元気な様子で映画公式SNSに寄せられた、ファンの選ぶモエキュンベストシーンのセリフを舞台で再現したり、サプライズで流れたSnow Manのメンバーからの動画コメントに感動したりと、彼の魅力に溢れたイベントになった。

 『モエカレ』自体、岩本の魅力に溢れている。玉島ノンが雑誌『デザート』(講談社)で連載している少女漫画を原作とした本作。その原作が、もともと萌えとキュンの宝庫のような漫画なわけだが、そういった作品の実写化においてキャスティングはかなり重要になってくる。シャイで真面目な消防士と“ボッチJK”の恋を描く本作において、特に要になるのは年齢萌えだけではない、体格差萌えだ。

 父の死をきっかけに母の故郷に引っ越してきた主人公の佐々木萌衣(生見愛瑠)。クラスメイトにも馴染めず、ひとりぼっちでいた彼女が消防士の蛯原恭介(岩本照)との出会いを通じて変わるという物語なのだが、蛯原と出会ってから前向きになり、彼への思いを実直にぶつけるヒロイン像を生見は見事に好演していた。

 その中で、蛯原演じる岩本との体格差は「これぞ “漫画の実写化”」と言わんばかりに再現されている。“キュン”を大切にする少女漫画において、時にはそれが非現実的なものであることが多い。しかし、それを現実にしてしまう生見と岩本の掛け合いは、本作においてかなり魅力的だった。特に、映画としてストーリーも起承転結がかなりしっかりしている印象で、物語をちゃんと楽しめる点で俳優の可愛さやかっこよさ頼りになっていないことも、本作の素晴らしさである。

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