1人の女性の人生を辿る ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『灼熱の魂』リマスター版の予告編公開

『灼熱の魂』リマスター版予告編公開

 8月12日より公開されるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『灼熱の魂』デジタルリマスター版の予告編が公開された。

 レバノン出身の劇作家ワジティ・ムアワッドによる戯曲『Incendies』が原作となっている本作は、『DUNE/デューン 砂の惑星』『ブレードランナー 2049』『メッセージ』などで知られるヴィルヌーヴの出世作であり、2011年に公開されたヒューマンミステリ―。第83回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、カナダ版アカデミー賞であるジニー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など8部門独占を果たしたほか、30カ国以上の映画祭で上映され高い評価を獲得した。

 胸を痛めずにはおれない民族や宗教間の紛争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中にのみ込まれていった女性ナワル・マルワンの魂の旅を描き、残された姉弟が自身の出生にも関わる秘密を紐解いていく。

『灼熱の魂』デジタル・リマスター版 予告編

 公開された予告編は、主人公の女性ナワル・マルワンの死から始まる。残された双子の姉弟であるジャンヌとシモンが、その遺書を受け取り「父親は生きている」「君には兄がいる」というそれまで全く知らなかった事実を聞かされる場面だ。一枚の写真を手がかりに、初めて母親の祖国の地を踏むことになる2人。映像は、若き日のナワルが生まれたばかりの我が子との再会を誓いながら引き離されるしかなかった悲劇、彼女の数奇な人生の一端、母の故郷を訪れたジャンヌが母が拒絶された存在だったことを知る場面などを、現在と回想を交錯させながら描いていく。旅を通じて、母が歩んだ暴力と憎悪に覆われた人生を徐々に知り、自分たち家族が持つ宿命をひとつずつ探り当てていく姉弟。2人が辿り着く真実はどんなものなのか。

 ヴィルヌーヴ監督は、11年の公開当時、「『灼熱の魂』は、ジャンヌとシモンが母親の憎しみの根源へと至る旅でもあります。そこでふたりは憎しみと暴力にあふれた家族の歴史を再構成し、永遠に残る傷を負うことになります。これはとても普遍的なテーマで深く心を動かされました。しかし、脚本の中のドラマティックな要素のバランスを取るのにずいぶん長く時間がかかってしまいました。何しろひとつひとつのシークエンスがそれぞれ1本の映画の素材になりえるほどですから」とコメントを寄せている。

■公開情報
『灼熱の魂 デジタル・リマスター版』
8月12日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテにてほか全国順次公開
監督・脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マキシム・ゴーデット、レミー・ジラール
原作:ワジディ・ムアワッド
挿入歌:レディオヘッド
配給:アルバトロス・フィルム
2010年/カナダ・フランス映画/フランス語/131分/原題:Incendies/ビスタサイズ/5.1ch/PG-12
(c)2010  Incendies inc. (a micro_scope inc. company) - TS Productions sarl.All rights reserved.
公式サイト:incendies-movie.com
公式Twitter:@incendies2022
公式Facebook:@albatrosdrama

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