“4秒”の猪を映すために大奮闘 『100カメ』で明かされる『鎌倉殿の13人』の撮影裏

『100カメ』撮影裏を聞く

 大木は今回の放送の見どころを聞かれ「猪の撮影」でのロケを挙げる。これは『鎌倉殿の13人』スタッフチームが、茨城にある動物園に巻狩りロケとは別撮りをしに行った映像。ドラマの中で実際に使われている時間はたったの4秒。泥まみれになりながら格闘すること2時間半、やっとの思いで撮影できたスタッフ自画自賛の最高の撮れ高だ。三谷幸喜による脚本のト書きには「猪」と一言しか書かれていないが、そのために準備段階として動物プロダクションへ電話取材をし、大変な苦労の末に、ワンカットは生み出されている。大木は尊敬の念を込めて、猪ロケを印象的なシーンだと話していた。

 カメラを意識しない姿、会話の記録から思わぬ実像が見えてくるのが『100カメ』の魅力。例えば演出の吉田照幸はメロンパンが大好物で、巻狩りロケの最終日に荒天の大変な現場の中、緊張感は保ちつつもジョークを飛ばし、あまりピリピリしないよう気を遣う姿が収められている。大木は「現場での大変さだったり、誰かへの感謝が漏れる瞬間を捉えられるのが番組としては面白い」と初めて携わった『100カメ』ロケを経ての実感を語る。また、清水も『100カメ』を通して、参加できなかったロケ現場を覗き見した感想を「プロデューサーとはいえ見えない部分も多いので、みんなこんなに頑張って撮ってきてくれたんだなと胸が熱くなりました」とコメントしていた。

 『100カメ』は翌週6月21日の放送をもって、一旦の放送休止期間に入る。今回の『鎌倉殿の13人』密着だけでなく、毎回の制作がハイカロリーのため、準備期間を設け今年秋以降に再開予定。MCもオードリーの2人が続投だという。大木は今後潜入してみたい場所を聞かれ、巻狩りロケのためにスタッフが何度も電話取材し、また別のプロフェッショナルを感じた「気象庁」と答えていた。朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)とも親和性の高い場所。現段階では全くの未定だというが、再び放送がスタートした際には、ぜひ実現してほしい回の一つだ。

■放送情報
『100カメ』
NHK総合にて、毎週火曜23:00~放送
MC:オードリー

『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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