小関裕太と佐久間由衣が“あるある”体現 『恋するチャミスル』から紐解く韓国ドラマの魅力

 続く2作品目は、ハズレることのない人気テーマ、御曹司とOLの社内恋愛物語である。物語は、会社のクールな御曹司が上司になる、というところから始まる。まるで、『社内お見合い』や『キム秘書はいったい、なぜ?』を思わせるような雰囲気だ。

 彼に見惚れてしまって、自分を責めるように壁に頭を打ち付ける“おでこブレイカー”やプリントを落としてしまい、彼が一緒に拾ってくれるような“うっかりシンデレラ”まで、全てのラブコメに出てくるのでは?と思うくらい、共感できてしまう。親しげな謎の女性がいきなり帰国する“サプライズ・フィアンセ”のシーンは、ライバル登場! といったあるあるで、これからの主人公の苦労が見てわかる。

 “焦らしの急接近”、“そうはさせないテレフォン”のように、キスをしそうになる、あるいは眠っているところにキスをしようとするのは、ラブコメには絶対にあるシーンだと断言したいくらいだ。どうしても、いい雰囲気になると邪魔が入ってしまうところが視聴者としても、分かっているのに悔しくなる。

 “半裸の水分補給”も、1昨目の“苦悩のシャワー”同様、視聴者としてはありがたいシーンである。彼女との関係を夜中まで考えてしまうくらい夢中なんだと考えさせられる。

 “10話付近の記憶喪失”、“伏線ハンカチーフ”、そして“記憶フェニックス”は、とある事故で彼女との思い出の記憶も失ってしまった彼が、二人を結ぶハンカチをきっかけに記憶を取り戻すという展開だ。結末が分かっていつつも、彼らの今までの甘い時間が無かったことになってしまうなんて! と感情移入して涙を誘う。

 息子に結婚を急がせる父、“アボジ・ザ・ストロング”や、息子の記憶喪失に打ちひしがれる母、“崩れオモニ”は、障害となる親の存在と偉大さをアピールするのによく出てくる。“シャイニング・レイン”、“ライジング・ハンサム”、“上着シールド”は、雨が降ってきてずぶ濡れだが、彼がやってきて上着で守ってくれるという、このキャッチコピーを聞いただけで想像ができてしまう3段階あるあるである。

 “不意打ちバックハグ”、“ささやきの45度”、“おでこアンニョン”は、二人が付き合う直前、キスをする前の最後のドキドキだろう。ここまでくると視聴者も発狂寸前、興奮が止まらない。

 そしてなんと言っても、作品の終わりになると画面が静止画になって、キラキラとしたエフェクトがかかり、主題歌が流れて本編の静止画ダイジェストが流れるのが韓ドラなのだ。そこまで完全にコピーをしているところが、このCMのあるある完成度をさらに高くしている。

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