『金田一少年の事件簿』道枝駿佑も原作を完璧に再現 “流れ”を断ち切らない見事な前後編
さて、先にも述べたように原作の“第三の殺人”を“第一の殺人”とスイッチしたのが今回の事件のドラマ化のポイントである。その“第一の殺人”が今回のエピソードで描かれたわけだが、二つの方向からアプローチできる舟着小屋の鍵が開いておらず、全員が一度コテージの方に戻り反対側に回り込み、小屋の中に死体があるのを確認する。そして暗い海に何やら浮遊する光を見つけ、それを追うようにしてコテージに戻るとそこに小屋の中にあったはずの死体が移動しているというものだ。
原作コミックを最初に読んだ時には、その事件発生時に空間がいまひとつ把握しづらく、いざ解決編を見ても何とも無理が生じやすいもののように思えた。それでもこれがある程度コテージ周りの風景が目に馴染んだ“第三の殺人”に移行したことで、比較的わかりづらさは解消したように思える。いずれにせよ、ボートを使って水中銃の引き金を引いたり瞬間接着剤を使ったりと、かなり奇を衒ったトリックが目立つ今回の事件。犯人がひたすら海に証拠を投げ捨てて隠滅を図っていたことも少々おざなりに思えるのだが、その一つであるサイリウムの行方を“解けない謎”として、セイレーンが実在する可能性へのにおわせとして昇華させたのには驚かされた。
■放送情報
『金田一少年の事件簿』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:道枝駿佑(なにわ男子)、上白石萌歌、沢村一樹、岩崎大昇(美 少年/ジャニーズJr.)ほか
※岩崎大昇の「崎」は「たつさき」が正式表記。
原作:天樹征丸、金成陽三郎
漫画:さとうふみや(講談社)
脚本:川邊優子、大石哲也
監督:木村ひさし、丸谷俊平
主題歌:なにわ男子「The Answer」(ジェイ・ストーム)
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:櫨山裕子、岩崎広樹、秋元孝之、大護彰子
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kindaichi2022/
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