ロシア政府の暗部に切り込むドキュメンタリー映画 『ナワリヌイ』6月17日公開決定

映画『ナワリヌイ』6月17日に日本公開

 2022サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映され、観客賞とフェスティバル・フェイバリット賞をW受賞したドキュメンタリー映画『Navalny(原題)』が『ナワリヌイ』の邦題で6月17日に公開されることが決定した。

 ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイは、インターネット上でのプーチン政権への批判で国内外の注目を集め、若者を中心とした反体制派から熱烈な支持を寄せられる人物。タイム誌の2012年版「世界で最も影響力のある100人」にも選出されたナワリヌイは、自らも政党を結成し、モスクワ市長選に出馬し大健闘。この選挙では政権側による
開票の不正操作があったのではないかという疑惑が持ち上がるなどして大きな注目を集めたが、やがて政権の最大の敵となった彼は、不当な逮捕を繰り返され、徐々に見えない巨大な力に追い詰められてゆく。そして2020年8月、彼は移動中の飛行機内で毒物によって昏睡状態に陥った。機体は急遽緊急着陸し、搬送された病院でもナワリヌイは意識不明となってい
たが、やがて病院側の反対を振り切ってドイツの病院へ移送され、そこで奇跡的に回復を遂げた。様々な憶測が飛び交う中、体調が戻り始めた彼は、自ら調査チームを結成。自分に毒を盛ったのは一体何者なのか。暗殺未遂事件の影に潜む勢力を、信じられない手法を用いて暴いていくのだった。

 監督を務めたのは、2019年トロント国際映画祭に『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を出品し、ビジュアルアーティストとしても活躍するダニエル・ロアー。暗殺未遂事件の直後からナワリヌイや家族、調査チームに密着し、本作を極秘裏に製作した。

 全米ではワーナー・ブラザース他が劇場公開、ヨーロッパ各地でも6月以降に上映が決定するなど大きな注目を集めた。連日ロシアによるウクライナ侵攻の惨状が世界中で報じられる一方、戦争反対の立場を表明したロシアの国内メディアは政府の圧力により次々と活動停止に追い込まれている。政府に抗議の声を上げることへの危険性の実態に切り込む本作は、ナワリヌイを支持して抗議デモに参加する市民の姿もとらえており、ロシア国内にも平和と正義を求め行動を起こす人々がいる事実を映している。ナワリヌイは作中で、「もし私が殺されることになったら、それは私達がそれほど彼らにとって脅威だということだ。諦めてはならない」とメッセージを発している。

■公開情報
『ナワリヌイ』
6月17日(金)新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、シネ・リーブル池袋ほかロードショー
監督:ダニエル・ロアー
出演:アレクセイ・ナワリヌイ、ユリヤ・ナワリヌイ、マリア・ペヴチク、クリスト・グローゼフ、レオニード・ボルコフほか
プロデューサー:オデッサ・レイ、ダイアン・ベッカー、メラニー・ミラー、シェーン・ボリス
製作総指揮:エイミー・エンテリス、コートニー・セクストン、マリア・ペヴチク
音楽:マリウス・デ・ヴリーズ
製作:CNN Films、HBO Max
制作協力:Fishbowl Films、RaeFilm Studios、Cottage M
配給:トランスフォーマー
2022年/アメリカ/ロシア語、英語/98分/原題:Navalny/日本語字幕:額賀深雪
(c)2022 Cable News Network, Inc. A WarnerMedia Company All Rights Reserved. Country of first publication United States of America.
公式HP:https://transformer.co.jp/m/Navalny
公式Twitter:@Navalny_movie

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