宇野維正の興行ランキング一刀両断!

今週末公開の新作は興行がまったく読めない「チャレンジ作」ばかり

 『流浪の月』は実写長編映画としては『怒り』以来、6年ぶりの李相日監督の新作。これまで東宝配給作品やワーナー配給作品を手がけてきた李相日監督だが、本作は独立系のギャガ配給作品。製作総指揮は、かつてそのギャガでも社長を務めていた株式会社USEN-NEXT HOLDINGSの代表取締役社長CEO、宇野康秀氏。宇野氏は本作の製作をきっかけに、新しい映画制作会社UNO-FILMSを立ち上げるほどの肝の入れようだが、作品のモチーフが観客を選ぶ作品だけに、『フラガール』や『悪人』や『怒り』といった過去の李相日監督のスマッシュヒット作のような興行になるかどうかは未知数だ。

 『バブル』はワーナー作品にもかかわらず東宝の川村元気がプロデュース、そして劇場公開の2週間以上前からNetflixで先行配信という、プロジェクト自体が異例尽くしの作品。劇場公開前の先行配信という今回の手法、注目すべき試みではあると思うのだが、限定的な劇場公開ではなく日本全国で拡大公開をする上で一体どこに勝算があったのか? 頭の中に浮かぶのは「?」ばかりだ。

参考

※ https://deadline.com/2022/05/doctor-strange-in-the-multiverse-of-madness-crosses-500-million-worldwide-box-office-1235021076/

■公開情報
『流浪の月』
5月13日(金)全国公開
出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子、柄本明
監督・脚本:李相日
原作:凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社刊)
撮影監督:ホン・ギョンピョ
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
(c)2022「流浪の月」製作委員会

関連記事