『ムーンナイト』誰が殺人を決行? 『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』とのリンクも
ディズニープラスの『ムーンナイト』全6話のうち第3話までが配信されました。つまり、物語的には半分が終わったということです。大きく物語が動いた第3話ですが、今回の気になるところをみていきましょう。
※本稿は『ムーンナイト』第3話、および原作コミックのネタバレを含みます。
殺したのはスティーヴン? マーク?
第3話、実はちょっと混乱するところがあります。オスカー・アイザック演じる主人公の体の中には2つの人格、スティーヴンとマークがいるわけですが、すでに“彼ら”は一種のバディ関係であり「状況に応じて人格を変える」ということを器用に行えるようになってきました。基本的に頭を使う時は元学芸員スティーヴン、戦う時は元傭兵マークになります。
ところがこの第3話では、敵の手下どもが主人公によって殺されたということがわかるのですが、スティーヴンもマークもこの殺人に対し身に覚えがない、という奇妙な現象が発生します。ここで大きな伏線となるのが、アーサー(イーサン・ホーク)が言った「マークの体(頭)の中には、さらに多くの人格がある」みたいなセリフです。つまり、スティーヴンとマーク以外の人格がまだ隠れている、という可能性です。実はコミックではマーク、スティーヴンとならんで、タクシー運転手のジェイク・ロックリーという人格も存在するのです。そういえばこの奇妙な殺人が起こる前、なぜかカイロのタクシーの中で目を覚ましますよね。“タクシー内”というシチュエーションを用意したのはジェイクの登場を示唆しているのかもしれません。
神様の柱会議
今回の日本語タイトルは「エネアドの決断」。エジプト九柱の神々という集団が存在するのですが、彼らのこと、彼らの集まる集会のことをエネアドといいます(『鬼滅の刃』で言う、柱会議ですね)。マーベルの面白いところは、『マイティ・ソー』に北欧神話の神々が登場するように、神様を“キャラ”としてコミックに登場させるところです。エジプト神話にはエネアド(Ennead)=エジプト九柱の神々という集団が存在し、ちゃんとマーベル世界の住人になっています(「The Ennead MARVEL」で検索してみてください)。
今回のエネアド、なんか人類に対するスタンスが『エターナルズ』みたいですね。また、彼らの存在や世界は『マイティ・ソー』『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で語られた不思議の村ターローともリンクしており、今後のMCUにも登場する可能性もあります。