祝15周年 熱狂的ファンを大量生産したアニメ『らき☆すた』を振り返る

 2007年4月から放送されたアニメ『らき☆すた』は2022年4月に15周年を迎える。“日常系アニメ”というジャンルを確立させた金字塔的な作品であり、『らき☆すた』をキッカケにアニメに興味を持った人も多いのではないか。15周年を迎えるということで、『らき☆すた』の魅力を掘り下げたい。

『ガンダム』から『Kanon』まで多彩な引用

 とにかくネタの秀逸さが『らき☆すた』の一番の面白さだろう。第1話目から「チョココロネはどうやって食べるのか?」「インフルエンザは風邪の強化版じゃないの?」など、誰もが一度は疑問に思ったことを話題にしている様子は衝撃的だった。幼少期から『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』や『ドラゴンボールZ』を観ていた影響なのか、どこか“アニメは現実世界とかけ離れた世界観”という印象を持っていただけに、『らき☆すた』の世界がとても身近なものに感じられ、一瞬で心を奪われた。

 また、“オタクネタ”がかなり散りばめられているところも『らき☆すた』の魅力である。例えば、第4話で「商店街の前で女の子がぶつかってきまして、その子がいきなり私の手を掴んで走り出したんです」と遅刻の言い訳をするこなたに、黒井先生は「うぐぅ。ツッコミどころ満載や」とツッコむ。こなたの言い訳はアニメ化・映画化もされたゲーム『Kanon』内に実際にあったシーンであり、黒井先生の「うぐぅ」は『Kanon』に登場する月宮あゆの口癖である。

 他にも、体育祭の騎馬戦の際にはラフ殺法もいとわない、と生徒たちに助言する黒井先生に、「帽子を取るだけなので叩くのはちょっと……」と躊躇するみゆき。これに対して、黒井先生は「細かいこと気にしたらアカン。それが若さ故の過ち、ちゅーもんや」とフォローし、こなたはすかさず「坊やなんですね」という。これは言わずと知れた『機動戦士ガンダム』のシャアの名ゼリフのパロディである。

 比較的新しいネタから古いネタまで散りばめられており、一度見ただけでは見逃してしまうネタも多い。いろいろなアニメや漫画を観た後に再度観ると、「ここってあれがネタになってたんだ!」と新しい発見を感じられるのも『らき☆すた』の面白さと言える。

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