新幹線でのバトルは海外映画ファンの心をつかむ? 『ブレット・トレイン』予告編を考察

 数多くのキャラの立った殺し屋が丁々発止でやりあう展開は『ジョン・ウィック』シリーズ(2014年〜)を連想させる。『ジョン・ウィック』もまた非現実的な設定が強烈な個性につながっていたが、本作は日本を舞台にすることでより表現が自由になっていそうだ。予告編では、どこかコメディタッチの会話、たとえばブラッド・ピットが敵と戦いながら「君が誰なのかもよくわかってないんだけど!」と叫ぶシーンなど、コメディ的な展開が期待できそうで実にいい。監督は『デッドプール2』(2018年)で知られるデヴィッド・リーチ。きっと笑いの要素もしっかり盛り込まれたアクションコメディといった仕上がりになっているのだろう。

 伊坂の小説『マリアビートル』は、『グラスホッパー』(2004年)という小説の続編として書かれており、『グラスホッパー』は2015年に瀧本智行監督によって映画化されている。こちらも「異能の殺人者が集まってバトルを繰り広げる」という変わったテイストの日本映画で、豪華キャストの共演が目玉の作品であった。『グラスホッパー』の非現実的な展開の連続には惹かれたが、惜しむらくはややユーモアに欠けている点か。『ブレット・トレイン』には、カラッと明るいコメディの要素や、現実にはあり得ないブッ飛んだ登場人物、やりすぎなほどにエキゾチックな日本描写などで楽しませてほしいと期待している。海外映画の日本描写は、でたらめな方が楽しいのだ。

映画『ブレット・トレイン』予告

■公開情報
『ブレット・トレイン』
2022年公開
出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ザジー・ビーツ、ローガン・ラーマン、マイケル・シャノン、アンドリュー・小路、ベニート・A・マルティネス・オカシオ(バッド・バニー)、福原かれん、真田広之
原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(角川文庫刊)
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケヴィチ
配給:ソニー・ピクチャーズ
原題:Bullet Train/2022年7月15日US公開予定
公式サイト:https://www.bullettrain-movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/BulletTrainJP
公式Instagram:https://www.instagram.com/BulletTrainJP/

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