レオス・カラックスの全作品とその人生を解き明かす書籍発売 蓮實重彦、濱口⻯介ら執筆

 レオス・カラックスの全作品とその人生を解き明かす書籍『レオス・カラックス 映画を彷徨う人』(フィルムアート社)が3月末に発売されることが決定した。

レオス・カラックス
レオス・カラックス<Photo Mari SHIMMURA>

 4月1日には、第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞、本作の製作プロデューサーも務めたアダム・ドライバーとマリオン・コティヤールを主演に迎え、初めて全編英語でミュージカルに挑んだダーク・ファンタジー・ロックオペラ『アネット』も公開されるカラックス監督。

 1980年代フランス映画界に現れたカラックス監督の軌跡をいまふたたび見つめなおす本書は、カラックス監督を愛してやまない濱口竜介監督らによる全監督作品評論、諸テーマをめぐる論考・対談とともに、カラックス監督本人はもちろん、カラックス監督作品の常連俳優ドゥニ・ラヴァンら関係者へのオリジナルインタビューを凝縮した内容となる。発表した長編作品は6本と寡作ながら、その卓越した演出力と圧倒的な美的センスによって、衝撃を与えつづけてきた映画監督カラックス。その全作品とその人生を解き明かす。

『アネット』(c)2020 CG Cinema International/Theo Films/ Tribus P Films International/ARTE France Cinema/UGC Images/DETAiLFILM / Eurospace/Scope Pictures/Wrong men/Rtbf (Televisions belge) /Piano

 本作の評論を手がけた濱口は、「レオス・カラックスは、自分を映画館で映画を見ることへと導いてくれた監督の一人だ。そんな監督の現在地を示そうとしている本書に含まれる原稿の依頼を受けたことは光栄なのだが、実のところ書きようがなく悩んでいる。わかっていたが、何とも言葉にしがたい。『血が滲むような想い』という言葉では足らない一念でつくられた作品に見合う言葉を見つけるためと思えば、これぐらいの苦しみは当たり前なのだろうが、逃げ出したくもなる。本書ではカラックス本人や苦楽を共にしたスタッフ・キャストの言葉を読めると聞いた。その本の出版を遅らせるわけにはいかない、という思いだけが自分を原稿に向かわせている。読者に、この本を届けなくてはいけない。その読者とは、誰よりも自分のことだ」とコメントを寄せている。

■販売情報
『レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』
3月末発売
ISBN:978-4-8459-2114-0
予価:3,200円(税別)
編集:フィルムアート社編集部
A5判/300頁(予定)

▼インタビュー掲載(予定)
レオス・カラックス、ネリー・ケティエ(編集技師)、エルワン・ケルザネ(録音)、ドゥニ・ラヴァン(俳優)ほか
※取材・構成=佐藤久理子、澁谷悠

▼執筆者(予定)
青山真治、赤坂太輔、入江哲朗、大九明子、木下千花、五所純子、須藤健太郎、角井誠、西嶋憲生、蓮實重彦、濱口竜介、樋口泰人、廣瀬純、藤井仁子、堀潤之、町山広美、三浦哲哉、宮代大嗣ほか
公式サイト:http://filmart.co.jp/books/movie/filmmaker/leos_carax/

■公開情報
『アネット』
4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー
監督:レオス・カラックス
原案・音楽:スパークス
歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル&LC
出演:アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールほか
配給:ユーロスペース
上映時間:140分
(c)2020 CG Cinema International/Theo Films/ Tribus P Films International/ARTE France Cinema/UGC Images/DETAiLFILM / Eurospace/Scope Pictures/Wrong men/Rtbf (Televisions belge) /Piano
公式サイト:annette-film.com

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