『もしイケ』人を笑顔にできる者こそイケメン? 細田佳央太演じる龍馬が変える定義

 平凡男子・池田龍馬(細田佳央太)が、なぜか選抜イケメン候補に抜てきされた。その瞬間、これは男性版のシンデレラストーリーなのか? それとも、コーチの風間勇気(速水もこみち)が、龍馬のなかに眠るダイヤの原石を見つけたのだろうか……とさまざまな想像が頭に浮かんだ。

 だが、1月22日放送の『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)第2話で、すべてが覆ることになる。風間は、龍馬を選んだ理由を「ウンコを踏んだから」だと言うのだ。自分は、ウンコを踏んだことがない。だから、人間くささが足りないのだ……と。分かるような、分からないような。

 しかし、真剣な瞳で「ウンコ型イケメン。ライバル校にはない新しいタイプのイケメンを、手に入れたのかもしれません」と語られると、つい納得してしまう。説得力のある速水が演じていることも影響しているのだろうか。なかば無理やりな設定でも、彼が言うと「なるほど」と思ってしまうのだ。

 『この男は人生最大の過ちです』(ABCテレビ)や、『結婚できないにはワケがある。』(ABCテレビ)など数々のクセ強キャラを演じてきた速水。本作でも、「僕にとってイケメンなんて、血液型がB型くらいのことでしかありません」などと言ってのける一風変わったキャラクターに挑んでいる。現段階では、龍馬と絡むシーンは少ないが、今後最も影響を与える存在になってくるのではないだろうか。

 一方で龍馬は、選抜メンバー候補になったことに葛藤していた。なぜ、自分が選ばれたのだろう……。もちろん、ウンコを踏んだことが理由だとは知るよしもない。自信をなくしている彼に追い討ちをかけるように、野上(田中偉登)が辞退をしろと詰め寄ってくる。ひどい奴に見えるが、野上にはどうしても選抜に入らなければならない理由があった。

 龍馬は偶然、野上が目に包帯を巻いた少女・幸奈(稲垣来泉)と一緒にいるところを目撃する。手術を控える幸奈にとって、野上の存在は唯一の希望だった。「目が見えるようになったら、いちばん初めに野上くんの顔が見たい」と言う幸奈。彼女の期待を裏切らないようにするため、野上は選抜候補に入ったと“嘘”をつく。

 「嘘をついてはいけません」ーー。幼い頃から、いく度となく言われてきた言葉だ。何か嘘をつこうとすると、「嘘つきは泥棒の始まりだよ!」などと怒られた人もいるのではないだろうか。しかし、大人になるにつれて、嘘は時に優しいものであることを知る。龍馬の父・池田良夫(皆川猿時)が、「嘘っていうのは、2種類あるんだ。人を傷つける嘘と、相手を守る優しい嘘」と言っていたように。野上がついた嘘は、後者の嘘だったはずだ。その想いを知った龍馬は、野上の嘘に協力することを決める。選抜バッヂを貸して、口裏を合わせて。

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