二宮和也はイタリア語&マンドリンにも挑戦 『潜水艦カッペリーニ号の冒険』見どころ解説

『カッペリーニ号』は実話をコミカルに描く

 二宮和也主演の新春スペシャルドラマ『潜水艦カッペリーニ号の冒険』(フジテレビ系)が、1月3日21時から放送される。

 舞台は第二次世界大戦下、1943年イタリアで革命が起こり、ムッソリーニに代わる新政権は連合国側につき、これまで味方同士だった日本とイタリアは一気に敵国となった。

 そんな世界史の教科書で学んだ史実の裏に、こんな実話が潜んでいたとは。この形勢逆転もつゆ知らず物資輸送のためにイタリアから日本に到着した潜水艦「カッペリーニ号」の乗組員たちの存在、なんて間が悪いのだ。しかも「食べて、歌って、恋して」が信条の陽気なイタリア人が、よりにもよって大日本帝国海軍という正反対の厳しく質実剛健な世界に意図せず放り込まれることになるなんて……。ここから色鮮やかでコントラストの強い実話に基づくフィクションが始まる。

 今作の主人公である真面目一筋の厳格な日本海軍少佐・速水洋平(二宮和也)は、“我が命は国を守るためにこそある”と信じてやまない超堅物で愛国心が凄まじく強い。カッペリーニ号の乗組員3人ーーアベーレ(ペッペ)、シモーネ(ベリッシモ・フランチェスコ)、アンジェロ(パオロ)ーーを捕虜とし、最初は当然のことながら互いに反発し合いながらも、彼らのどんな時も人生を謳歌しようとする姿に速水の凝り固まった心は徐々に解きほぐされてゆく。速水とこのイタリア人3人の憎まれ口の叩き合いが軽妙でポップでクスリと笑える。

 何と言っても、国民的アイドルグループ「嵐」活動休止後初のドラマ主演となる二宮の見事な発音のイタリア語、さらには長回しの台詞や歌唱シーン、マンドリンの演奏シーンを堪能できるのが本作の見どころの一つだろう。

 ハリウッドデビュー作となった映画『硫黄島からの手紙』で陸軍一等兵を演じた二宮が、今作では海軍少佐として16年ぶりに軍服姿を披露し、イタリア人捕虜たちとの友情を描いたかと思いきや、2022年公開の主演映画『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』では打って変わって日本人捕虜・山本幡男役を演じるとは何ともドラマチックで何だか因縁があるようにも思えてしまう。

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