チャン・ギヨン、イ・ジョンジェ、チョン・ヨビンら、2021年注目韓国作品で輝いた俳優5選

チョン・ヨビン『ヴィンチェンツォ』

Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』 Netflixにて独占配信中

 映画『罪深き少女』(2017年)で主演を務め、注目されたチョン・ヨビン。『シークレット・ジョブ』(2020年)など、近年さまざまな映画、ドラマで活躍している。そして2021年4月にNetflixで配信された映画『楽園の夜』では、オム・テグが演じる暴力団構成員・テグと、束の間心を通わせる女性ジェヨンを演じ、ハードなガンアクションを披露した。

 そんなヨビンの人気をさらに高めたのが、Netflixで配信されている『ヴィンチェンツォ』だ。韓国国内で最大規模の弁護士事務所・ウサン法律事務所に勤務する敏腕弁護士、ホン・チャヨンを演じた。裁判に勝つためには、手段を選ばない野心家で、人権派弁護士として名を馳せている実の父親と対立するチャヨン。しかし父が不慮の死を遂げ、その黒幕が自身のいるウサン法律事務所が顧問を務める企業・バベルであることを知ったチャヨンは、ソン・ジュンギが演じるイタリアマフィアの顧問弁護士、ヴィンチェンツォ・カサノと組み、父を死に至らしめた悪と戦うことを決意する。

Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』 Netflixにて独占配信中

 カサノは、ジェントルマンな見かけと違い、目的を遂行するためには手荒い手段をためらうことなく使う人物。そんなカサノと組んで、チャヨンも次第にマフィア顔負けのバトルを繰り広げていく。

 何よりチャヨンの目力がすごい。敵であるウサン法律事務所の弁護士、チェ・ミョンヒ(キム・ヨジン)をにらみつけるときの凄み。そうかと思えば、無茶をするカサノを心底心配して見つめる時のまなざし。それに加え、サングラスにスーツというスタイリッシュな姿が、チャヨンのかっこ良さを倍増している。

 本作はハードボイルドなシーンだけでなく、コミカルで笑いがこみあげてくる場面も盛りだくさん。この作品でヨビンは、コメディエンヌぶりもいかんなく発揮しており、1作品でチョン・ヨビンのさまざまな魅力を見ることができるのだ。

シン・ミナ『海街チャチャチャ』

 『美しき日々』(2001年)で、主演のイ・ビョンホンの妹役でデビューし、わがままで気が強い役どころで注目を集めたシン・ミナ。映画『甘い人生』(2005年)では、イ・ビョンホンが心を寄せる女性として好演した。以降、さまざまな映画やドラマで主要な役を演じ、着実にキャリアップをしてきた。

 彼女は今年、Netflixで配信された『海街チャチャチャ』(2021年)のユン・ヘジン役でさらに注目を集めた。ソウルで歯科医師として働くヘジンは、仕事には熱心だが、現実主義者で人と深い関わりを求めない女性だ。そんな彼女が、あることをきっかけに上司である歯科医院の院長と対立し、退職。一念発起してソウルから遠く離れた海街・コンジンで歯科医院を開業する。

Netflixオリジナルシリーズ『海街チャチャチャ』Netflixにて独占配信中

 もともと人と関わることが苦手なヘジンは、コンジンに住む人々のフレンドリーさについていけず戸惑うのだが、町の人々から一目置かれているホン班長(キム・ソンホ)と出会うことで、人生観が少しずつ変わっていく。

 ヘジンはいわゆる田舎町を見下したような態度を取る女性で最初は何かと誤解されてしまうのだが、なぜか憎めない。人と深く関わり合わずクールを装っているけれども、本当は心優しく、情に厚い人物だからなのだ。勤務先だった歯科医院の院長と対立したのも、歯科医師としての誠実さからきたものであったし、何より開業したコンジンは、亡くなった母と幼い頃に訪れた思い出の地なのだ。そしてヘジンは、直面した問題にブツブツ文句を言いながらも乗り越えようとする一生懸命さもある。そんなヘジンにホン班長も次第に惹かれていく。

 また、ヘジンの笑顔がとにかく魅力的だ。本作では、ホン班長とともに「エクボが魅力的なカップル」として話題になったが、見ているとこちらまで思わず笑顔になってしまう朗らかさである。

 『海街チャチャチャ』が多くの人に受け入れられたのは、作品の牧歌的な魅力はもちろんのこと、主人公2人、とりわけミナの爽やかな笑顔があったからかもしれない。現実主義な女性が、海街・コンジンで人と関わり、人情を知っていく過程を丁寧に演じているシン・ミナに注目してほしい。

■配信情報
『九尾の狐とキケンな同居』
Amazon Prime Videoにて独占配信中
出演:チャン・ギヨン、イ・ヘリ
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