パゾリーニ生誕100年記念 4Kスキャン版『テオレマ』&『王女メディア』2022年3月公開

『テオレマ』『王女メディア』リバイバル上映

 ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100年を記念し、「パゾリーニ・フィルム・スペシャーレ1&2」と題して、『テオレマ 4Kスキャン版』と『王女メディア』が2022年3月4日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開されることが決定した。

『テオレマ 4Kスキャン版』

『王女メディア』

 詩人、作家、そして映画監督としてその名を世界に轟かせ、1975年にローマ郊外で死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持されるパゾリーニ。2022年3月5日の生誕100年を記念し、日本国内においては1970年の劇場初公開以来、映画祭以外では上映される機会のほとんどなかった2作品がスクリーンに甦る。

 “スペシャーレ1” は、現在公開中の映画『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』にも出演しているイギリスの俳優テレンス・スタンプ主演の『テオレマ 4Kスキャン版』。謎の“訪問者”によって次第に狂わされるブルジョワ一家を描いたパゾリーニ代表作の1本で、公開時は“訪問者”の解釈を巡って大論争を巻き起こした。共演には、当時ジャン=リュック・ゴダールの妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキー、『家族の肖像』のシルヴァーナ・マンガーノら。イタリアの作曲家、エンニオ・モリコーネが音楽を手がけている。

 第29回ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)と同時に国際カトリック映画事務局賞を受賞したことで、イタリア・カトリック界で物議を醸し、猥褻罪に問われて裁判に発展。その後パゾリーニは無罪となり、裁判沙汰も手伝って映画は大ヒットとなった。今回は2020年に米クライテリオン社によってなされた、オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版での公開となる。

 “スペシャーレ2”は、20世紀が誇るディーヴァ、マリア・カラスとのコラボレーションによって生まれた1969年の『王女メディア』。『アポロンの地獄』(1967年)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニが、エウリピデスのギリシャ悲劇『メディア』を元に再び神話世界を映像化したものだ。一切の映画出演オファーを断り続けていた・カラスが「この映画だけは断れない」と出演を承諾した唯一の映画主演作となっている。トルコ・カッパドキアの岩窟群やピエロ・トージによる衣装も見どころだ。

 あわせて公開された2作品のポスタービジュアルでは、『テオレマ』がスタンプ演じる謎の“訪問者”の妖しい魅力溢れるカット、『王女メディア』ではカラス演じるメディアの鬼気迫る表情が印象的なカットが使用されている。

■公開情報
『テオレマ 4Kスキャン版』『王女メディア』
2022年3月4日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次ロードショー

『テオレマ 4Kスキャン版』
※上映は4K素材から制作された2Kマスター
原案・監督・脚本 : ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影 : ジュゼッペ・ルッツォリーニ
音楽 : エンニオ・モリコーネ
出演 : テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー
1968年/イタリア/99分/カラー/1:1.85 ビスタビジョン/日本語字幕:菊地浩司
日本初公開:1970年4月11日
(c)1985 - Mondo TV S.p.A.

『王女メディア』
監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
製作:フランコ・ロッセリーニ
撮影:エンニオ・グァルニエリ
衣装:ピエロ・トージ
出演:マリア・カラス、ジュゼッペ・ジェンティーレ、マッシモ・ジロッティ
1969年/イタリア=フランス=西ドイツ/111分/カラー/1:1.85 ビスタビジョン/日本語字幕:関口英子
日本初公開:1970年7月17日
MEDEA (c) 1969 SND (Groupe M6). All Rights Reserved.

配給:ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/ppp2022/

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