ベニチオ・デル・トロが天才画家役に 『フレンチ・ディスパッチ』新映像&新場面写真公開
ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』より、新たなストーリー予告と場面写真、メイキング写真が公開された。
『ダージリン急行』(2007年)、『ファンタスティック Mr.FOX』(2010年)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)、『犬ヶ島』(2018年)を生み出したアンダーソン監督の記念すべき第10作目となる本作の舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。一癖も二癖もある才能豊かな記者たちが活躍し、国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで深く斬り込んだ唯一無二の記事で人気を獲得している。ところが、編集長が仕事中に急死、遺言によって廃刊が決まってしまう。果たして、何が飛び出すか分からない追悼号にして最終号の、思いがけないほどおかしく、泣ける、その全貌とは。
突如急死した編集長の追悼号のため、個性豊かな記者たちによる選りすぐりのストーリーが描かれる本作。自転車レポーターのサゼラック(オーウェン・ウィルソン)によるルポルタージュに続いて展開するのは、美術界の表も裏も知り尽くすJ.K.L.ベレンセン(ティルダ・スウィントン)による第1話「確固たる名作」。服役中の凶悪犯、かつ天才画家の囚人モーゼス・ローゼンターラー(ベニチオ・デル・トロ)は、看守のシモーヌ(レア・セドゥ)をモデルに絵画を描いていた。彼の絵に目をつけた同じく囚人であり、画商のジュリアン・カダージオ(エイドリアン・ブロディ)は、モーゼスを美術界に売り出す画策をするも、まさかの展開が巻き起こり、セッティングした大切な展覧会は台無しに。
公開された映像では、モーゼス以外の囚人たちやベレンセン、シモーヌたちが入り混じって暴動が巻き起こるカオスな状況が。さらに、裁判にかけられてしまったモーゼスをかばおうと「列席者の意見を聞く時間はありますか? 結婚式だと……」 と傍聴席から声を上げるが、裁判長から「ない」と辛辣に断られるなどモーゼスに振り回されるジュリアンの姿が映し出されている。
“ベニチオ・デル・トロで映画を撮りたい”という長年の望みがあったというアンダーソン。本作でデル・トロ演じるモーゼスは、アンダーソン監督がずっとあたためていたキャラクターだったという。「何年も前に、ずっと書きたいと思っていた、画家についての脚本を書きました。このエピソードの一部はそこからきています」と念願の思いを叶えたことを告白している。
また、シモーヌを演じたセドゥがアンダーソン作品に出演するのは『グランド・ブダペスト・ホテル』以来、本作が2度目。アンダーソン監督を尊敬するあまり、オファーがきた時は即答で「イエス!」と答えたというセドゥは、「彼の作品はとても豊かだと感じるのですが、それは視覚的に豊かであるというだけでなく、彼独特の演出手法があると思います。彼はとても詩的です。あまり感傷的になり過ぎないものの、同時に感傷的でもあるというところが好きなの。すべてのキャラクターには、その外見の下にリアルな感情があると思います」と唯一無二の作風で愛されるアンダーソン作品の魅力を語った。
■公開情報
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
2022年1月28日(金)全国公開
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マシュー・アマルリック、スティーブ・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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