木村多江×安藤玉恵、阿佐ヶ谷姉妹に負けず劣らずの歌唱力 『のほほん』が描く幸せの形

『のほほん』が描くそれぞれの幸せ

 よるドラ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(NHK総合)も気づけば折り返し。第1話~第3話が阿佐ヶ谷姉妹の世間に認知され始めるブレイクまでの物語だとすれば、第4話「他人です、実の他人です」はエリコ(木村多江)とミホ(安藤玉恵)の恋愛にまつわる話である。

 第4話は阿佐ヶ谷のフィットネスジム・ブーカスをメインにしたストーリー。中華料理店「朝來」のおかみ・孝代(いしのようこ)や煎餅屋「七万煎餅」を営む奥さん・ひろみ(楠見薫)、さらにはアパートの大家さんでありブーカスでは「ヌシ」と呼ばれる寛子(研ナオコ)など、お馴染みの面々が集結する。

 そんな中、ミホの母(中田喜子)が新たに登場。エリコの一言からミホが2人暮らしのことを母親に知らせていないことが発覚。一人っ子のミホに母は「結婚して家庭を持って幸せに暮らしてほしいと思って」と告げるのだった。その言葉はダイレクトにエリコにも突き刺さる。第3話でエリコの母(松金よね子)もまた「誰かいい人見つけるとか、仕事で一人前になるとかして、お母さんたちを安心させてちょうだいよ」と言っていたからだ。隣の部屋の大学生・高橋(中川大輔)は自分たちと同い年くらいの女性を「彼女」と呼び、薄い壁を超えてイチャつき声が聞こえてくる始末。心配性のエリコは焦っていた。

 ブーカスに通うお見合いで人をくっつけたがりな弥生(伊勢志摩)の力を借りる手もある。しかし、2人が見つけた答えは人それぞれに幸せな形があるということだった。両親を安心させたい、世間体を気にしての結婚。令和(劇中ではまだ平成だが)とは言え、まだまだそんな古いとされる考え方がスタンダードにある時代。それぞれの母親が思い描く「幸せ」とは違っているけれど、エリコとミホにとっては今こうして2人で暮らしていることが幸せなのだ。

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