柳楽優弥、30代は「“わがままさ”が必要」 コロナ禍も影響した役者への思いの変化

「作品は、いきなり出会うギフトのようなもの」

――井上さんとは、どのようなお話を?

柳楽:真央さんは、居てもらえるだけで心強いです。距離感を作るのがお上手なのか、僕がモニターを見ていると隣の席にスッと座って来てくれるんです。不思議なんですけど、その距離感がなぜか嬉しいんですよね(笑)。近い距離で同じモニターを見ていると、ファミリーみたいな感じがして……“二月のファミリー”ですよ。

――二月のファミリー(笑)。でも、隣で同じものを見る感覚、なんとなくわかる気がします。役者としての魅力は、どんなところに感じますか?

柳楽:真央さんと一緒に演じられるというだけで、「もうちょっと黒木のクオリティを上げたいな」と思いますし、人を上げる力がありますよね。本当にすごいなと思います。

――加藤さんについてはいかがですか?

柳楽:灰谷さんは黒木の前に現れて、とにかくずーっと喋るんです。でも、簡単ではないセリフもスラスラと言えるし、それが灰谷としての言葉に聞こえる。ご本人が実際に中学受験を経験されていることもありますし、加藤さんの知的でインテリジェンスな雰囲気が、灰谷さんと合うんだなと感じますね。とてもいい刺激を受けています。

――この作品を通して、「やっぱり役者はおもしろい」という気づきはありましたか?

柳楽:本当に気づきの毎日です。最近は映画の現場が多かったのですが、ドラマらしいテンポの良さというか、リズムが心地良くて。映画のように丁寧に丁寧に作っていく現場ももちろん素晴らしいんですけど、オンエアが迫ってくることへのドキドキ感はドラマならではだと思いますし、僕はこういう感覚が好きなんだなと気づきました(笑)。

――子どもたちに囲まれてお芝居していると、過去のご自身を重ねることもありそうです。

柳楽:「僕も学園ものをやってたなー」とか、「小田原まで電車で通ってたわー」とか、自分が12、13歳くらいの時の気持ちを思い出します。そんな自分がいろいろな経験を経て、今、先生役として指導する側にいることに、成長を感じたりもしますね。

――小さかった頃を思い返すと、役へのアプローチの仕方など、今との違いは大きいですか?

柳楽:それは大きいと思います。ただ、やっぱり子どもの強みはあるんですよ。いろいろと経験したからといって出せるわけではない、子どもが放つ“純粋さ”というか。余計なことを考えずに現場に挑んで、セリフを聞いて発する力強さというのは、子どもならではなのかなと。今、共演している子どもたちも、みんなすごいなと感心します。それから、自分も子どもの頃から役者をやってきた身として、「いい背中を見せたいな」とも思います。役柄としても、柳楽優弥という大人としても、いい刺激を与えたいです。

――今作は“人生攻略ドラマ”とのことですが、柳楽さんが人生を攻略するために必要だと思うものを教えてください。

柳楽:うーん……“努力”じゃないですかね。だって僕、努力はあまり好きじゃないですもん(笑)。

――(笑)。これまでに、がむしゃらに努力したようなご経験は?

柳楽:武道で黒帯をとるために道場に必死に通っていたこともありますけれど、やっぱり仕事ですかね。

――その努力を経て、いい意味で“わがままになれる今”に辿り着いた、と。

柳楽:いや、本当にそうですよ。感慨深いですね。

――そんなふうに変化を迎えた30代は、まだ始まったばかりですね。

柳楽:自分の中で、「最高にしたいな」という思いは常にあります。何が自分の最高なのかというのはわからないんですけれど(笑)。作品は、いきなり出会うギフトのようなもの。自分だけで決められるわけではないサプライズなので、良い贈り物が届くといいなと思っています。

■放送情報
『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』
日本テレビ系にて、10月16日(土)スタート 毎週土曜22:00〜放送
出演:柳楽優弥、井上真央、加藤シゲアキ、池田鉄洋、瀧内公美、今井隆文、加治将樹、住田萌乃、岸部一徳ほか
原作:『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』高瀬志帆(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:成瀬活雄
音楽:小西康陽
主題歌: DISH//「沈丁花」(ソニー・ミュージックレコーズ)
テーマソング:NEWS 「未来へ」(Johnny’s Entertainment Record)
演出:鈴木勇馬ほか
プロデューサー:次屋尚、大塚英治(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/2gatsu/
公式Twitter:@2gatsu_ntv
公式Instagram:@2gatsu_ntv

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