『ボクの殺意が恋をした』水野美紀が見せる“黒幕”としての恐怖 物語はクライマックスへ
その詩織は、かなりの「策士」である。柊のことを、鳴宮美月殺害未遂で指名手配し、身動きを取れないようにしたのには驚いた。そこまでするのか……と。そして、莉奈には柊の家に盗聴器を仕掛けさせた。
となると、「鳴宮美月の引退会見を開く」と謳ってマスコミを集め、そこで柊の無実と詩織の不正を暴露する……という丈一郎の策略も、もちろん把握ずみ。詩織側に寝返った(?)デス・プリンス(鈴木伸之)に、引退会見の会場に爆弾を仕掛けさせ、莉奈に指図をして柊と葵を倉庫に連れ出す。そして、千景(田中みな実)が全てを暴露しようとした瞬間、丈一郎の携帯に電話をかけた。
「柊くんと葉山葵を人質にとった。今すぐ会見を中止させて。2人の命が惜しければ」「デス・プリンスが仕掛けた爆弾を、鳴宮美月が起こしたテロにさせる」なんて言われたら、丈一郎も会見を止めざるを得ない。本当に詩織は抜かりがなく、どんなに知恵を寄せ集めても太刀打ちができない。
詩織を演じている水野美紀は、『奪い合い、冬』(テレビ朝日系)や、『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×ABEMA)など作品に強烈な印象を与える役柄が続いている。本作でも、彼女が出てくると全体がビシッと引き締まるような存在感を発揮してきた。とくに、誰かを狙う時の「目」は、直視するとゾワっとするほど怖い。瞬きを少なくすることにより、目力が強調されているのだ。次回は、詩織の過去にまつわる「秘密」も明かされるらしい。彼女のことを本当に「黒」だと思っていいのか。回想で出てくる息子とのエピソードも気になるところだ。
次週、ついに最終回を迎える『ボクの殺意が恋をした』。柊と葵は、離れ離れになってしまうのだろうか。どちらに傾いても確実に切ないラストを、しっかりと見届けたいと思う。
■放送情報
『ボクの殺意が恋をした』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:中川大志、新木優子、鈴木伸之、田中みな実、中尾明慶、永田崇人、小西はる、水野美紀、藤木直人
脚本:徳永友一ほか
監督:星野和成、宝来忠昭
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:中間利彦、小島祥子、石田麻衣(ホリプロ)
共同プロデューサー:三上絵里子(日本テレビ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
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