『おかえりモネ』百音&菅波に祝福ムード 丁寧に描かれてきた“名前のない関係性”

『おかえりモネ』百音&菅波の関係性が前進

 百音がまだ登米にいた頃に「たまには何も考えずに動いたらいいのに」と言われていた菅波だったが、正に“考えるよりもまず動く”ような格好だった。「離れないよ、これまでと変わらないよ。心まで遠くに行ってしまうことはないから安心して」と言うより早く。言葉で説明するよりもとにかく今すぐにでも彼女の不安を取っ払ってしまいたいと。過去を悔やむ自分の背中を、考えるより早くさすり続けてくれた百音の手当てに呼応するように。

 「あなたの痛みは僕には分かりません。でも、分かりたいと思っています」という菅波のこの上ない愛情表現は、あまりにスッと染み入る「心のお守り」になるような言葉だ。百音の心の傷を刺激した「お姉ちゃん、津波見てないもんね」(=だから私たちの本当の痛みは分からないよね)をも包み込むような途方もない広さと奥行きを見せてくれた。

 所在なさげな手の動き、指一本までもがリアルで、視線の動きや互いに慎重に自分の本当の想いが伝わるように言葉を探り当てながら対話を重ねる間合いに、2人が出会い徐々に心を通わせるようになった月日や紆余曲折をなぞって見せてくれているかのようだった。

 2人の出会いの場所、登米を訪れる今のモネと菅波には見慣れた景色がどう映り、どんな発見があるのか。第17週も2人の姿を観られるのが楽しみで楽しみで仕方ない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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