シン・ミナ×キム・ソンホ『海街チャチャチャ』は月9感満載 爽やかヒューマンドラマに期待大

街の住民から学ぶ、人と人との繋がりの大切さ

 主演二人の役柄だけが、本作の魅力ではない。へジンが出会う漁村の住民たちも、それぞれキャラが立っていてわかりやすい。若い頃は無名の歌手として活躍していたカフェのオーナー、へジンを気にかけるご飯屋のお母さん、ホンが紹介したイカの内臓の仕事で出会ったオババたち……。みんな暖かく、都会からやってきた若者のヘジンを歓迎するも、そういうのが苦手な彼女は塩対応どころか親切心を踏みにじるようなことを考えなしに言って相手を傷つけてしまう。2話にして初っ端から住民のダサさを愚痴る彼女の陰口がみんなに聞かれてしまったへジンは、彼らから避けられ、一気に村八分状態に。本当は彼女が心優しい人であると信じているホンは、そんな彼女を助けようとする。こういったやりとりからも、本ドラマでは街の住民が「ザ・田舎の人」的な暖かさと、周りを気にかけながら暮らす強いコミュニティ力を発揮することで、へジンが失っていた人との繋がり方を学んでいくことをテーマにしているのがわかる。

 高齢者が多く住む漁村を舞台にしていることで、へジンという若者の価値観と合わない部分も多少ある。しかし、やはり根本的に現代社会で失われつつある隣人との助け合いや、人と人との対面でのコミュニケーションは、観ているこちらの心も温め、大事なことを思い起こさせてくれるはず。

 次回は9月4日と5日に配信。開業後、ようやくお客さんをゲットしたへジンの今後と、ホンとのロマンスの行方に期待したい。

■配信情報
Netflixオリジナルシリーズ『海街チャチャチャ』
Netflixにて独占配信中、毎週土曜・日曜に新着エピソード配信

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