沖田修一×千葉雄大が語る、5年ぶりの映画作り 「千葉くんが現場にいるのが心強かった」

沖田修一×千葉雄大、5年ぶりの映画制作

明大役に託した映画の“笑い”の要素

ーー田島列島さんの原作漫画は人気作ですが、実写化にあたり意識されたことはありますか?

沖田:マンガを映画にするのは今作が初めてでした。俳優さんが一生懸命、マンガ的な世界を演じるのは嫌だと思っていましたが、元々の原作が、実際に人が演じてもそこまで無理がないというか、シンプルな話だったので、映画ならではの雰囲気の中で作っていきました。

千葉:原作が少女マンガだったら、ビジュアル面などですごく熱量を注ぐ部分があると思うんですけど、今回はちゃんと普通に生きている人として見れる内容の物語だったので、僕も特に意識したことはありませんでした。原作で明ちゃんはタバコを吸っていたんですけど、それが脚本には書いていなかったので、タバコを吸うことになったぐらいです。

ーー千葉さんがこの作品で沖田さんらしいと感じた魅力は?

千葉:たくさんあります。最初、アニメから始まって、そのアニメを観ている家族が映っていく様子が本当に微笑ましい。他人が、その家族の中身というか、見てはいけないものを見てしまっていると感じるくらい、その日常感がすごく好きです。僕はこの現場で萌歌さんと佳央太くんの2人が本当に好きだなと思ったので、ラストの2人のシーンはすごく素敵だなと思いました。

ーー千葉さんのシーンで沖田監督がベストだと思うところはどこですか?

沖田:階段を降りてくる登場シーンから素晴らしかったと思います。情に脆いところも面白かったですし、どこまでやるかの塩梅の中で、ちゃんと映画の中では笑える感じになっていてよかったです。そういう要素を明大の役に託したところもあったので、編集しながらひとりでニヤニヤ笑っていました。

千葉:僕の“胸騒ぎ”のところが、予告編であんなに使われるとは思っていませんでした。

沖田:「来るよ来るよ~、胸騒ぎってやつが」のところ?(笑)

千葉:そうです。もうちょっと言い方があったのかなって思います。

沖田:いまさら?(笑)

千葉:いまさらです(笑)。

■公開情報
『子供はわかってあげない』
全国公開中
出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治、斉藤由貴、豊川悦司
監督:沖田修一
脚本:ふじきみつ彦、沖田修一
音楽:牛尾憲輔
原作:田島列島『子供はわかってあげない』(講談社モーニングKC刊)
企画・製作幹事:アミューズ
配給:日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
(c)2020「子供はわかってあげない」製作委員会(c)田島列島/講談社
公式サイト:agenai-movie.jp
公式Twitter:@agenai_movie

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