『ひぐらしのなく頃に卒』考察合戦が白熱 沙都子を操る何者かが存在?
2020年10月~2021年3月に放送された、TVアニメ『ひぐらしのなく頃に業』の続編『卒』。第7話から“祟明し編”に突入し、今作の鍵を握るキャラクター・北条沙都子の悪行に拍車がかかっている。
※本稿は最新話までのネタバレを含みます。
『ひぐらしのなく頃に』は都会から離れた架空の集落「雛見沢村」を舞台に、昭和58年に起きた猟奇的殺人や失踪事件に巻き込まれていく登場人物たちを描いたミステリー。風土病「雛見沢症候群」による惨劇を回避するため、土着神オヤシロさまの生まれ変わりとされている梨花が村の伝統的なお祭り“綿流し”が開催される昭和58年6月をループしている。
旧作はハッピーエンドを迎えたが、新作アニメでは梨花が再びループに巻き込まれることに。しかも、そこで迎えるバッドエンドは彼女の親友であり、謎の存在・エウアからループ能力を与えられた沙都子が意図的に引き起こしているものだと明らかとなったのだ。これまでの展開については、こちらの記事を参照してほしい(参照:『ひぐらしのなく頃に卒』の展開に「辛すぎる」の声が 今回の“ハッピーエンド”は難しい?)。
惨劇を乗り越えてお嬢様学校に進学し、自分から離れていく梨花を村に留めておくために力を悪用する沙都子。業の“祟騙し編”ではかつて沙都子を虐待していた叔父・鉄平が村に戻り、村人たちが結託して彼から沙都子を救う。しかしながら、警察に連行されたはずの鉄平が圭一を襲い、沙都子の保護に協力した大石刑事が発狂。そして、梨花や魅音をはじめとした村人たちを虐殺するという謎の結末に終わった。
ただ業の第23話で沙都子が所持する力の影響により孤独死を暗示する夢を見たことがきっかけで、改心した鉄平が登場。沙都子にお菓子をあげたり、不良からその身を守ったりとあまりの変化に一部の視聴者からは「SSR鉄平」と騒がれた。そして同時に、祟騙し編での沙都子は周囲に自分が虐待されているように見せかけていたのでは?という噂が。その疑惑が祟騙し編の解答に当たる“祟明し編”で確信に変わることとなった。
前回のループで魅音に雛見沢症候群の症状を促進する“H173”を投薬し、惨劇を起こした沙都子は次なる計画を実行するために昭和58年6月へ。そこでは自ら鉄平に会いに行き、ある嘘をついた。それは両親がダム計画推進派だったことから、「雛見沢の住民全員からいじめを受けている」というもの。もちろん少なからずダム計画に反対していた村人と北条家との間には因縁が残っているものの、沙都子は梨花と生活を共にし、学校でも部活のメンバーと楽しげに暮らしている。しかし、すっかり姪の言いなりになった鉄平は沙都子を守るため雛見沢へ戻ることに。一方で圭一や梨花たちには悲劇のヒロインを気取り、嘘に嘘を重ねていく沙都子。そんな彼女の女優顔負けの演技に、視聴者から注目が集まった。
特に驚きを隠せなかったのは、第8話の教室でのシーン。久しぶりに学校へ来た沙都子を心配する部活メンバーだったが、圭一が頭を撫でようとした瞬間に沙都子は発作を起こしてしまう。さらには泣き叫び、嘔吐。鬼気迫る演技は誰が見ても嘘をついているようには見えない。しかし、ここで新たな疑惑が。気になったのは沙都子の様子を俯瞰してみるエウアの「もはや北条沙都子という人間は不幸に身を浸し、周囲から同情されている時だけが幸せなんだな。その悦楽を得るためだけにコマを操り、人の心を弄ぶか。それはもう人ではなく“魔女”であるな」という言葉。一見沙都子の行動を嘲笑う言葉にも思えるが、彼女が発作を起こした時、一瞬だけその“魔女”なるものに操られているように見えたのだ。