『東京リベンジャーズ』千堂敦が背負う光と影 磯村勇斗と寺島拓篤が体現した“アッくん”像

 光と影を背負う千堂を演じるにあたって、磯村の繊細かつ自然体な演技が最大限の効果を発揮している。はにかむ笑顔の裏にある、触れると壊れてしまいそうな脆さ。10年後の千堂が全身に漂わせる危険な香りと、何とも言えない悲しげな眼差しに肺腑をえぐられる。タケミチと自転車で土手を行くシーンは未来のリベンジにつながっている。細かな感情の揺れを丁寧にすくい上げ、陰陽のコントラストを付けて全身で昇華する芝居に、役作りへの洞察が垣間見えた。

 劇場版より溝中五人衆の登場シーンが多いアニメ版は、高校生と中学生という設定の違いもあって、より幅広い演じ分けが求められる。千堂役の寺島拓篤は『転生したらスライムだった件』の転生前のサラリーマン三上悟や『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの一十木音也で知られる。“陰キャ”と“陽キャ”のどちらも対応できる寺島は、千堂の中学時代はもちろん、10年後のダークサイドにもスムースに移行。憂いを帯びたトーンは時おり少年時代の面影がのぞき、感情を押し殺した声には親友に何かを伝えようとする切実さが込められていた。10年の時を経て複雑に折り重なった感情を高い解像度で再現している。

 決して強いわけではない“私たち側”の存在として、陰陽を使い分けながら巧みに演じている両者。彼らがそれぞれの“アッくん”像を見事に体現していることは、『東京リベンジャーズ』のヒットに大きく貢献していることだろう。

■公開情報
『東京リベンジャーズ』
全国公開中
出演:北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)
監督:英勉
脚本:高橋泉
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)和久井健/講談社 (c)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
公式サイト:tokyo-revengers.jp
公式Twitter:@revengers_movie
公式Instagram:@revengers_movie

■放送情報
『東京リベンジャーズ』
MBSにて、毎週土曜26:08~放送中
テレビ東京、テレビ愛知、テレビ北海道ににて、毎週日曜25:35~放送中
TVQにて、毎週日曜26:35~放送中
BS朝日にて、毎週日曜23:00〜放送中
ほか各局放送中
※放送日時は変更となる場合あり
声の出演:新祐樹、和氣あず未、逢坂良太、林勇、鈴木達央、水中雅章、松岡禎丞、木村昴、野津山幸宏、河西健吾、小野大輔、寺島拓篤、広瀬裕也、武内駿輔、葉山翔太、日野聡、竹内栄治ほか
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』連載)
監督:初見浩一
シリーズ構成:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:大貫健一/太田恵子
音響監督:飯田里樹
音楽:堤博明
アニメーション制作:ライデンフィルム
(c)和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会
公式サイト:https://tokyo-revengers-anime.com

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