『TOKYO MER』鈴木亮平、要潤らによる“命のリレー” つながれたバトンがもたらした奇跡
第4話のテーマは「命のリレー」。目の前の命を救うためには、他の命を犠牲にしなければならない。医療ドラマで頻繁に目にする光景だ。本来、命の重さに優劣はないはずだが、それでもどちらかを天秤にかけなくてはならないジレンマが、多くのドラマ的展開を生み出した。そんな決まりきった筋書きを「TOKYO MER」は鮮やかに超えていく。
いつ新たな崩落が起きてもおかしくない状況で「助けを待っている人がいるなら行く」(千住)。二次被害を考えたら行かせないのが正解であり、「俺と同じ過ちを繰り返させるわけにはいなかない」と考える室長・駒場(橋本さとし)の判断は妥当である。それでも千住は助けたいと言い、駒場もそれを許す。理由は「今行かなかったら、俺は一生後悔します」。後悔するのは行かないという判断をしたことでも、行けなかった自分に対してでもない。助けられる命があったという可能性に対してだ。
命を省みない人間を「向こう見ずで、思慮に欠ける」と笑う時、私たちが見落としていることがある。誰かを助けるために、他の誰かが犠牲になることを仕方がないと思っていないか? 「命のリレー」でバトンを託す人間は決して息絶えてはならない。生きてバトンを渡すことが命をつなぐことで、そのためには、誰の命も失うわけにはいかないのだ。駒場が「行け!」と千住を送り出す時、「止めても無駄ですよ」と喜多見が笑う時、そこには必ず生きて戻るという覚悟がある。
「命のリレー」は信頼でつながっている。手術を断念しかけた千晶(仲里依紗)に喜多見は余計なことを言わない。だが、それで十分だった。「命のリレー」の最終走者は患者自身だ。「心臓を提供し、運んで守り抜いてくれた全ての人たち」の手でつながれたバトンが、最後に奇跡をもたらした。
命のリレーは元夫婦の絆を再確認した。互いを理解し合う喜多見と千晶の間に何があったのか? 「空白の1年」をめぐる疑惑が再燃するかたわらで、喜多見とMERの奮闘は続いていく。
■放送情報
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、 佐野勇斗、佐藤栞里、フォンチー、佐藤寛太、菜々緒、鶴見辰吾、橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子
脚本:黒岩勉
プロデューサー:武藤淳、渡辺良介、八木亜未
演出:松木彩、平野俊一
製作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/TokyoMER_tbs/
公式Twitter:@tokyo_mer_tbs