中村倫也×木村昴に聞く、“別れ”との向き合い方 『100ワニ』ネズミとモグラの関係に迫る

 SNSで社会現象を巻き起こしたきくちゆうきの4コマ漫画『100⽇後に死ぬワニ』をアニメーション映画化した『100日間生きたワニ』が現在公開中だ。

 『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督とアニメーション監督としても活躍するふくだみゆき夫妻が手がけた本作は、原作の4コマ漫画のストーリーに加え、その後のオリジナルエピソードが描かれる100日前と100日後の物語。

 今回、主⼈公・ワニの親友・ネズミとモグラの声優を務めた中村倫也と⽊村昴にインタビュー。ワニ亡き後のネズミとモグラに重ねた、二人の別れの乗り越え方について話を聞いた。【インタビューの最後にプレゼント企画あり】

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“ネズミとモグラ”はどんな関係?

ーー中村さんはネズミのキャラクターの背景をどのように考えて演じましたか?

中村倫也(以下、中村):今回は、特に何も考えずに臨みました。僕自身が、仲間内でいるとき、ネズミの立ち位置に近いので、そのままの感覚でセリフをしゃべっていた感じで。声の表現も特に意識しないくらい、自然体でやりました。

ーーネズミの性格はどのように考えていましたか?

中村:視野が広くて、いろんなことをすごく気づく奴だなと。口数は多くないので、淡々としているように見えるけど、さりげない優しさができる奴だなと思っています。

ーー木村さんはモグラのキャラクターの背景を考えて演じましたか?

木村:おそらくワニとずっと一緒にいる、小学校の頃からの古い友達だなというのは想像ができたんですけど、もしかしたら1つか2つくらい年上なのかなと思っていました。

中村:ふーん。留年してる?

木村:はははは! 登校班が一緒で、学年は違うんだけど、すごくいい兄ちゃんっていう感じ? 性格が大人びていて、クールな感じがあるので、仮に年齢が一緒でもお兄ちゃんっぽい性格なのかなと。3人でいるときも、ネズミとワニが2人でいて、ときどきモグラは「ちょっと俺、先行くわ」と自分のやりたいことがあって抜けたり、でもまた合流したり。考え方が達観している部分もあるので、裏テーマとしては、“酸いも甘いも先に経験したモグラ”を意識していました。

ーーネズミとモグラの関係性はどうなんでしょう?

木村:この2人が直接、会話のキャッチボールをすることは多くなかったんですけど、3人でいるときの雰囲気としては、ネズミもモグラも口数が少なめですね。あまりしゃべらなくてもお互いをよく分かっている、通じているような信頼関係があるような2人なのかなと思っていました。どうなんですかね?

中村:モグラはひとりっ子っぽい感じがしていて。どこにいっても、ナチュラルに自分のままでいられるというか。ある程度、外に対しては、「やめてくださいよー」みたいなノリもあるけど、自分の軸はブレないなって。たぶん、ネズミはもうちょっと不器用な気がします。カエルが来たときも、断れる人となかなか断れない人がいる気がしていて、そういう意味で、ノリ的には、ワニがいなかったとしても2人でラーメン食いに行こうぜっていうのは、モグラな気がするんですよ。それで「ああ、いいよ」って付いて行って、へらへらしゃべる。2匹になったら口数はモグラのほうが多い気がします。

木村:そうかも! そこでワニみたいに煮卵をあげるほどの優しさがモグラにあるのかどうかっていうのが……自分の煮卵、自分でいきそう。

中村:どちらかといったら、モグラはラーメンごとおごりそうだよね。ささやかな「はいこれ」じゃなくて、「今日はおごったるよ」っていう。

木村:「今日は俺出すわ」ね。たしかに。

中村:ネズミは「あざーす!」みたいな。

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