アニメ『進撃の巨人』新シーズン放送に高まる期待 リアルに入り組んだ物語と作画を解説

※本稿は『「進撃の巨人」The Final Season』のネタバレを含みます。

 去る6月27日、アニメスタジオ・MAPPAの創立10周年を記念する『MAPPA STAGE 2021』で、アニメ『「進撃の巨人」The Final Season Part 2』のティザービジュアルが解禁された。

(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

 幻想的な風景のなか、立ち尽くすエレン・イェーガーと彼を待っていたかのように佇む少女。アニメで追いかけているファンには「何が始まるのか?」という期待感を、原作既読のファンには「ついにあれが始まってしまう」と胸のざわめきを抱かせる、印象的なビジュアルだ。

 『進撃の巨人』は、人を食う巨人が闊歩する世界で、自らの命を犠牲にしながら巨人に立ち向かう調査兵団と、その団員でありながら巨人になる能力を持ったエレン・イェーガーの物語。

 言うまでもなく原作は、世界累計部数が1億部を突破し、先日最終34巻が発売された諫早創による同名漫画で、The Final Seasonは、コミックスでいえば23巻以降の、いわゆるマーレ編と最終章に該当する。

 前シリーズにあたるSeason3で、これまでエレンたちが世界だと思っていたのはパラディ島に過ぎず、巨人の正体は人間で大国マーレが送り込んできていたことが明かされた。

 常に予想を裏切る展開で、観る者を魅了してきた『進撃の巨人』だが、こと先のThe Final Season Part1の展開はひと際衝撃的だった。主役を務めていたはずのエレン・イェーガーや調査兵団は姿を消して突如、敵国であったマーレでの巨人と近代兵器との戦闘で幕を開けたのだ。

 すべての巨人を司る“始祖の巨人”の力を入手するため、パラディ島攻略作戦を企てるマーレは、各国に世界連合軍の発足を要請。エレンはその裏をかき、単独でマーレに潜入して、陸軍エルディア人戦士隊ジーク・イェーガーを拉致し、パラディ島へ帰還する。

 エレンの目的は、ジークの持つ王家の血にあった。巨人の島として恐れられるパラディ島を世界各国から守る威嚇として、無数の巨人の行進によって全世界を破壊する「地ならし」の力が必要であり、その発動には始祖の巨人と王家の血筋の力が必要だったのだ。

 しかしエレンのその苛烈な考えと行動は味方をも二分し、エレンの考えに共感した一部の兵士たちが、イェーガー派を名乗り調査兵団と軍部に対して反乱を起こす。情勢が混乱を極め、かつての盟友アルミン・アルレルトたちとエレンが対峙するなか、マーレ軍飛行船による空襲が彼らを襲った……。

 全世界を敵に回したその時、エレンと調査兵団の面々は、いったいどんな道を選択するのだろうか?

 巨人の謎をめぐるダークファンタジー色の強かったSeason3までから一転し、The Final Seasonでは、エレンたちパラディ島陣営とマーレそして世界連合の戦い、さらには調査兵団の内部抗争と、よりリアルにより入り組んだ人間ドラマが展開されていく。

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