『#家族募集します』重岡大毅&仲野太賀、内に秘めた痛みをどう演じるか 2人の芝居にも注目

 重岡といえば『これは経費で落ちません!』(NHK総合)で好演した堅物の経理女子に想いを寄せる山田太陽役にせよ、W主演を務めた『宇宙を駆けるよだか』(Netflix)での火賀俊平役にせよ、“愛され男子”、“爽やかな好青年”という側面だけでなく、目の前の人の傷に寄り添い弱さを引き出して受け止めたり笑い飛ばしたりしてくれるような魅力的な役どころが多かったように思う。それが本作では“明るく前向き”という性質はそのままに、その裏で“笑いながらも傷ついている”、“必死に痛みや弱さを隠している”という主人公のもう一側面をどのように演じるのか必見だ。

 そして、そんな重岡演じる俊平の弱さを引き出す側として配置されるのが、蒼介役の仲野太賀だ。本作で見せる“お節介でとにかく良い奴”なキャラクターは、『この恋あたためますか』(TBS系/以後『恋あた』)での新谷誠役や、『コントが始まる』(日本テレビ系)での美濃輪潤平役とも通ずる部分が大いにあるが、いずれの作品でも仲野演じる役どころと対になるような“陰”な空気を纏った人物が近くにいた。『恋あた』で言うところのコンビニ会社社長の浅羽拓実(中村倫也)、『コントが始まる』でのマクベスリーダー・高岩春斗(菅田将暉)の存在が、よりその底抜けの明るさを際立たせたところもあったのではないだろうか。それが本作では前述の通り、もともと陽の印象が強い俊平と対峙しどのように呼応し合い、その弱さを受け止めていくのかが今から楽しみだ。

 同じシングルマザーでも、他人に頼らない完璧な子育てにこだわる小学校教師の桃田礼(木村文乃)と、音楽活動に打ち込みながら息子を育てる自由奔放な性格のシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)といういかにも価値観の合わなさそうな2人の触れあいにも注目したい。

 ダイジェスト番組で重岡が語っていた「弱さを見せられる家族でありたい」というような言葉がどう作品に反映されているのか、放送が待ち遠しい。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好き。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『#家族募集します』
TBS系にて、7月9日(金)スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
※初回は15分拡大、22:00~23:09放送
出演:重岡大毅(ジャニーズWEST)、 木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきの、佐藤遙灯、宮崎莉里沙、三浦綺羅、丸山礼
脚本:マギー
演出:福田亮介、村尾嘉昭
プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈、那須田淳
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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