『おかえりモネ』百音と菅波の2ショット写真は未来の暗示? 大人になることを描いた第6週

『おかえりモネ』が描いた大人になること

「余裕しゃくしゃくで生きているように見える立派な大人も、本当はジタバタもがきながら生きてんの」

 そんなサヤカ(夏木マリ)の金言が改めて響く今週。『おかえりモネ』(NHK総合)第30話では、百音(清原果耶)から見た“大人”たちの青春が描かれた。

 迷う時間をつくるという意味での積極治療を始めた田中(塚本晋也)は、百音に耕治(内野聖陽)と亜哉子(鈴木京香)の馴れ初めの続きを語り始める。かつて、地元に忘れられない人がいると耕治に告白を断られた亜哉子の逆転劇だ。それは百音の知らない父・耕治の魅力を教えてくれた。

 暗い影を背負っておらず、まっすぐで明るい音しか奏でることができなかった耕治。

 挫折したことがなさそうと百音に言われた菅波(坂口健太郎)が「負けたことのある人間の方が強いとか、傷ついたことのある人間の方が共感性が高いとか、それも一理あるとは思いますが~」と反論していたが、どうしても人は誰かの苦労や後ろ暗い過去に惹かれるものだ。心の傷が透けて見えるような音楽や芸術、就職の面接だってわかりやすい挫折経験が好まれたりする。だから耕治は音楽を辞めることを決意し、田中はそれを止めなかった。

 そんな2人の元にやってきて「正しくて明るくて、ポジティブで前向きであることが魅了にならない世界なんてクソです!」と亜哉子は啖呵を切る。その言葉に全力で肯定され、現在に至る耕治はいるだけで周りがハッピーになれる太陽のような存在。病におかされ、希望を失いかけている田中を救ったのもそんな耕治だった。

 ダイニングテーブルと椅子が納品された日曜日の午後、田中は別れた妻をジャズ喫茶に招待し、百音と共に待っていた。時間は刻一刻と過ぎ、約束の時間になっても現れなかった元妻から丁重なお断りのメールが届く。それもまたリアルだ。私たちは田中の今の姿しか見ていないから切ない気持ちになるけれど、散々苦労させられた元奥さんからしてみれば「今さら」っていう感じだろう。会いたくないと思うのも仕方がない。

 けれど、元奥さんの代わりに亜哉子と共に訪れた耕治がすっかりしょぼくれた田中を励ます。病気の人にかける言葉とは思えない耕治の無神経にも思える言葉が力強い。田中は耕治がすっかりマトモな大人になってしまったと拗ねていたところもあるのかもしれないが、耕治はちっとも変わっていない。歳を重ねて、守られる側から守る側になっても、みんな悩み苦しみながら日々を生きている。青春はどこかに置いてきたようで、本当はずっと続いているのかもしれない。



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