『着飾る恋には理由があって』新井順子Pが最終話に込めた想い “追い源”に関するこだわりも

 現在放送中の火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)が6月22日にいよいよ最終回を迎える。これまで違う価値観ながらもお互いを尊重し合い、ゆっくりと距離を縮めてきた真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)。しかしここにきて葉山(向井理)という強力なライバルが出現し、心を揺さぶられた視聴者も多かったのではないだろうか。

 恋愛ドラマが多数放送された2021年4月期ドラマの中でも王道を貫きつつ、新たなスパイスとして「SNS」や「自分らしさ」をキーワードとした演出が光った本作は、仕事も恋愛も頑張る現代の人々が改めて価値観を見直すきっかけを与えてくれた。今回は『着飾る恋には理由があって』でプロデューサーを務める新井順子氏に、本作のキスシーンや主題歌挿入のタイミングで工夫している点からタイトルが意味することまでを聞いた。(Nana Numoto)

葉山(向井理)の衣装はどのように考えた?

――駿派、葉山派で分かれることは期待していましたか?

新井順子(以下、新井):五分五分になればベストかなと。とはいえ、はじめは駿派が多いだろうなと思っていたのですが、1話では葉山派も多くて「あら?」という感じでした。1話では駿とまだ恋愛関係になっていない真柴が社長のほうにキュンとしていたので、それが良かったのかなと。

――前半は葉山の登場が少なかったですが、後半の畳み掛けに向けて、登場頻度にはどんな狙いが?

新井:後半に登場させるために第5〜6話で戻って来させようとは決めていました。当初は7話分くらい出ていればいいかなと思っていたんですけど、本を作ってみたら、意外といたほうがいいなと思って、結果全話出る形になりました。そのちょっと出しがよかったのか、戻ってきたときには葉山派がかなり多くて。

――反響などをも含めて、登場する回数を調整することはあるのでしょうか?

新井:ありますね。そのキャラクターの人気が出れば、展開を見直すこともあります。

――第9話では、葉山が真柴を抱きしめるかと思いきや、一度隠してから胸を貸すという行動に、とても反響がありました。

新井:9話は逃げたくなってしまう彼女に「逃げるな」という駿と、逆の立場にいる葉山という構図にしたくて。今まで、葉山と真柴は年齢差もあったので、ほとんど接近させていなかったのですが、そこはもうラストチャンスだと思って顔をグッと近づけました。

――あのときも白パーカーでしたね。

新井:最初は白じゃなかったんです。狙って着せたかったものがあったのですが、ご本人に着てもらったら、しっくりこなくて……。夏だからちょっと水色っぽい半袖のを用意していたんですけど、着てみたら、ちょっと子供っぽくなりすぎて。予備で用意していた白パーカーがあったので、ご本人とも話して「じゃあ王道の白か」となって白に。

――パーカー姿にも反響が寄せられていますが、向井さんは『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)を振り返って「今回は二番煎じです。味を占めたなって(笑)」とおっしゃっていました。パーカーが好きなのは新井さんですか?(笑)

新井:種田晃太郎の時に、ファスナーが付いているパーカーを着せたので、それは絶対やめようとなって。いろいろ着たんですけど、やっぱりなんでも似合っちゃうので、1周回ってパーカーになったんです。黒着たり、水色着たり、いろいろしたんですけど、白の方がパンチ力があるな、と。白が評判良かったので、6話でも白を着せて。そしたら、いつも厚着という感じなりました(笑)。

――自転車の二人乗りやキッチンカーでのシートベルトなどたくさんのキュンシーンがありました。キュンシーンに合わせて演出や設定を考えたのか、シチュエーションからキュンシーンを作っていったのかが気になります。

新井:駿のシートベルトのシーンは、正直キュンとする場面が少なかったのでキッチンカーに乗ってやれることを考えました。たまにやられません? シートベルトを強く引っ張りすぎると出て来なくて、「あれ? 全然出てこないんだけど」と言ったら、「こうだよ」って。あれを再現したかった(笑)。

――(笑)。口をむぎゅっとさせたのは川口さん発信だったとSNSでおっしゃっていましたね。

新井:そうなんです。前の日にいろんなパターンを考えたらしく、これが1番良かったと言っていました。かわいかったですよね。急にむぎゅってやったから、大爆笑でしたけど。

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