オマール・シーによる新世代の怪盗紳士像 “エンタメ全部乗せ”な『Lupin/ルパン』の魅力

 ハッタリ全開で話は進むが、一方で本作は人種差別の問題を軽やかに切り取っている。アサンの変装を通じて、パリの街で黒人がどういう恰好をしていたら、どういう扱いを受けるかを描いているのだ(金持ちを演じれば怪しまれ、逆に貧しい恰好をしていたら誰も気にしない)。こうした皮肉とメッセージ性も絶妙である。

 全編通してテンポも非常によく、各話の最後は必ず「引き」で終わる。おまけにシーズン1の最後は、とんでもないクリフハンガーで終わるので、一気にシーズン2へ向かうこと請け合いだ。なかなか外出できない昨今、イッキ見を推奨したいドラマである。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■配信情報
『Lupin/ルパン』
Netflixにて配信中

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