『恋はDeepに』切ない石原さとみ×綾野剛の未来 渡邊圭祐演じる榮太郎はまさかのギャップ
「大丈夫、君は何も悪くないから」
「倫太郎さん、何も悪くないのに」
掛け軸の人魚の描写と「人魚」という文字がクローズアップされ海洋学者・渚海音(石原さとみ)の正体がいよいよはっきりと明かされた『恋はDeepに』(日本テレビ系)第7話。
プロジェクトリーダーに返り咲いたツンデレ御曹司・蓮田倫太郎(綾野剛)は、海流に配慮し「海中展望タワー」の建設場所、形や大きさを変えて、海と人の共生を叶えられるようなマリンリゾート開発を誓う。
一方、経歴詐称の疑惑の目に晒されている海音を巡って、鴨居教授(橋本じゅん)は、海音を解雇して鴨居研究室を存続させるか、あるいは研究室自体の解散かの究極の二択を大学側から迫られる。
魚の話す言葉が聞き取れなくなり、自分の中に確かに芽生えている“ここにいたい”という願望にももう蓋をしておくことはできない……海音の戸惑いと不安はどれほどのものだっただろうか。これまでははっきりとした目的を持ち “海からの使者”という確固たる立場があったのに、今はどっちつかずの状況。“海の仲間”との繋がりも感じられなければ、かと言ってもちろん自分は“人間”ではない。あくまで“人間”の姿形をしているだけで、みんなと一緒にはなれない。隠してきた正体の“正体”部分の実態さえ揺らぐ恐怖。自分の核となる部分がどんどん薄れていって消えていく……どこにも所属していない疎外感、アイデンティティの崩壊。自分が自分であることを証明できる術がない。鴨居教授が考えてくれた“渚海音”としての経歴のように、“渚海音”になる前の本来の自分のルーツさえ心許ないものとなっていく。一体どれほどに心細く孤独なことだろうか。