『恋はDeepに』近づく綾野剛と石原さとみの距離 大谷亮平演じる兄・光太郎も本領発揮?

「どれが本当の倫太郎さんですか? 優しいのか冷たいのかわかんないです……」

 『恋はDeepに』(日本テレビ系、以後『恋ぷに』)第2話のエレベーター内で、海洋学者・渚海音(石原さとみ)がツンデレ御曹司・蓮田倫太郎(綾野剛)に思わずこぼした言葉だが、第3話は海音からすればさらにこの緩急が凄まじい回となった。

 マリンリゾートへのベンジャミンホテルの誘致が決まったと聞き、確かに気持ちが通じ合い海中トンネルの建設について考え改めてくれるものだと思っていたほのかな期待も見事に打ち砕かれ、海音は困惑する。

 ただ、開発予定地の一部である山の所有者が土地の売却に応じてくれないと聞きつけ諦め切れない海音は、今度は山と海がどれだけ密接な関係で、互いにとって必要不可欠な存在かデータにまとめ、倫太郎に再度建設計画を考え直させるように奮闘する。

 ビジネスライクに結果しか話さない倫太郎だが、「あれは兄が勝手に決めた話で」と伝えることもできただろうに、言い訳がましく聞こえてしまいかねない余計なことは一切話さないところが潔いとも言えるし、それがために勘違いもされやすいタイプだろう。しかし、隠しきれない“愛情深さ”が時折滲み出るのを海音は見逃さない。互いに、“大事なもの”“絶対に譲れないもの”を持つ者同士、またその対象へのアプローチは真逆ながら双方ともに星ヶ浜の海に並々ならぬ思い入れがある者同士、どうしたってぶつかり合ってしまう反面、分かり合えてしまい惹かれ合ってしまう部分もあるのだろう。

 今回、倫太郎が山の所有権を押さえたのも、他の会社の手に渡って山が壊される前に自分たちのものにして山を守る方法を考えようとしてのことのようだ。「きっとわかってくれています」と倫太郎のことを祈るように見ていた海音の“信じたい、信じてみたい”気持ちが、“信じよう、信じて大丈夫”という確信に変わった瞬間だっただろう。

 一度帰ったかに見えてわざわざ一人戻ってきてくれてコートをかけてくれる倫太郎に、海辺で焼き芋を一緒に食べ合える倫太郎に、きっと海音は“自分の限られた時間”をこの人に懸けてみようと思ったに違いない。

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