『エヴァ』綾波レイに『SHAMAN KING』恐山アンナも 声優・林原めぐみのヒロイン像

 公開中の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で公開から3週連続1位を記録するなど、シリーズ最高記録を更新している。『エヴァンゲリオン』シリーズで25年以上に渡ってヒロインの綾波レイ役を演じている林原めぐみは、4月1日より放送がスタートしたアニメ『SHAMAN KING』でも、2001年版から引き続きヒロインの恐山アンナ役を務めている。林原はほかにも『ポケットモンスター』のムサシ、『名探偵コナン』の灰原哀など、国民的作品で人気キャラクターを務めている。林原の活躍を振り返りながら、彼女の魅力を探る。

ミステリアスな役柄が真骨頂

 林原めぐみは高校卒業後、看護学校に通いながら声優を志し、1986年にテレビアニメ『めぞん一刻』の幼稚園児役で声優デビューを果たした。以降、『魔神英雄伝ワタル』の忍部ヒミコ、『らんま1/2』の早乙女らんま、『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』のミンキーモモ、『七つの海のティコ』のナナミ・シンプソン、『BLUE SEED』の藤宮紅葉、『アイドル天使ようこそようこ』の山杜サキ、『3×3 EYES』のパールバティー四世など、多くの作品でメインキャラクターを担当している。

 『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイと『スレイヤーズ』のリナ=インバースといった、林原を代表する2大キャラクターと出会ったのは1995年だ。『新世紀エヴァンゲリオン』では、綾波レイの謎めいた存在感や無機質な雰囲気を見事に捉え、そのクールな演技が話題になった。同作では綾波レイだけでなく、碇シンジの母親=碇ユイや、葛城ミサトの同居ペンギンのペンペン、ネルフ本部のコンピューター=MAGIシステムの声など多くの兼役も担当している。『スレイヤーズ』では、綾波とは対照的に表情豊かで破天荒な主人公のリナ=インバースを軽快に演じ上げた。

 綾波レイ役、リナ=インバース役を筆頭に、90年代は林原の独壇場と言えるほど多くの作品に出演した。『ポケットモンスター』ではロケット団のムサシを演じ、ピカチュウを付け狙う悪役だがどこか憎めない存在感でシリーズには欠かせない存在になった。また『カウボーイビバップ』で、平成の峰不二子とも呼ぶべきフェイ・ヴァレンタインを演じたことも印象深い。林原は、どこか敵とも味方とも付かない不思議な存在感を放ち、揺れ動く感情を内包した演技に定評がある。『名探偵コナン』の灰原哀は、幼い見た目ながら中身は大人の女性というギャップが、実にミスマッチしている。『SHAMAN KING』の恐山アンナも同様で、ミステリアスな雰囲気を持った役柄は、林原の真骨頂とも言えるだろう。

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