『バイオハザード』リブート最新作のタイトルが発表 より“怖さ”に注力した作品に?

 カプコンの大人気ゲームシリーズ『バイオハザード』。今年で25周年を迎え、記念タイトル『バイオハザード RE:バース』が登場。さらに、Netflixオリジナルのフル3DCGアニメシリーズ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』や実写テレビシリーズ(全8話構成)も発表されていて、まさに絶賛バイオ祭りの真っ最中。そんな祭りを盛大に盛り上げるのが、『バイオハザード』リブート最新作であり、そのタイトルがついに発表された。『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(原題)』だ。

 2002年にポール・W・S・アンダーソン監督の手で映像化されたミラ・ジョヴォヴィッチ版『バイオハザード』との関わりはなく、キャストもコンセプトも一新させた本リブート作。監督を務めるヨハネス・ロバーツはオリジナルのゲーム1作目と2作目をプレイした時に感じた心の底からの恐怖を再現したような作品作りを目指していた。もちろん、アンダーソン監督も最初は同じ気持ちでコンスタンティン・フィルムに脚本を持っていったのだが、彼の作風は全シリーズを通して恐怖よりアクションを重視したものとなっていった。それが、このリブートは改めてその“怖さ”に注力するという。ダイナミックな世界観の中での恐怖を表現する点において、ヨハネス・ロバーツ監督は誰よりも適役と言える。

 彼はこれまで、幽霊になった男の魂を巡る善悪の闘いを描いた『ゴーストキャッチャー』(2004年)や、人間界に追放された堕天使の住む森に迷い込んだ若者の運命を描いた『ブラッド・フォレスト〜吸血のエンジェル〜』(2005年)、倉庫に閉じ込められながら謎の生命体に襲われるサバイバルホラー『ストレージ24』(2012年)、そしてバカンス先で巨大な怪鳥に襲われる若者を描いたモンスターパニック映画『アルティメット・プレデター』(2011年)と、わかりやすいぐらいのB級ホラー映画をメインに監督・脚本を手がけてきた。正直、全てが成功作は言い難いが、シチュエーションをうまく生かした恐怖演出にこだわりを見せてきたのは確かだ。

『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(c)THE FYZZ FACILITY FILM 11 LTD

 そんな彼が目を見張るほどの覚醒を遂げ、生まれたのが『海底47m』である。2017年に公開された本作は巷に溢れるサメ映画のなかでも異彩を放ち、ダイビング中に落下したケージの中でサメに襲われるというシンプルなシチュエーションの中での臨場感溢れる死の恐怖を思う存分描き切った。彼の覚醒はそこで止まず、続編の『海底47m 古代マヤの死の迷宮』ではさらにレベルアップしたサバイバルホラー要素の中に、アツすぎるシスターフッドのストーリーを盛り込んだ。1作目が製作費約5億円に対し世界興収が約48億円、2作目が約13億円に対し40億と、このサメ2部作で注目を浴び、その手腕が買われ今回『バイオハザード』リブートを任されたのだろう。 

 2020年10月から制作開始され、同年12月には撮影が終了した本作。タイトル発表前から、舞台が1998年のラクーンシティであることは明かされていた。ラクーンシティとはアメリカ中西部に位置する架空都市。田舎町だったのが、大手製薬会社アンブレラ・コーポレーションの参入により街全体が企業援助金によって発展していった。しかし、1998年に郊外にそびえるアークレイ山地内にある“とある洋館”で事件が発生。特殊部隊のS.T.A.R.S.が事態の収集に向かう。そう、リブート版はラクーンシティのみならず、ゲーム版『バイオハザード』のランドマークであるスペンサー邸を舞台にしているのだ。

 アンダーソン版『バイオハザード』は、それらの事件の背後に起きていたアンブレラ社内の出来事を描いたスピンオフ的な立ち位置であり、2作目にゲームの要素を入れラクーンシティを舞台にしていた。シリーズの中でもこの2作は評価が高いのだが、ヨハネス・ロバーツは実直にゲーム版を映像化する気概を感じる。誰もがあの洋館でインクリボンを探し求め、負傷するたびにトイレを探している人みたいになっているクリス/ジルを操作して、初見殺しの罠にハマって死んだはず。あの思い出を呼び起こしてくれると思うと、ワクワクして仕方ない。

 クレア・レッドフィールド役に『メイズ・ランナー』のカヤ・スコデラリオを、ジル・バレンタイン役に『アントマン&ワスプ』のハナ・ジョン=カーメンを迎え、クリス・レッドフィールド役に『THE FLASH/フラッシュ』のロビー・アメル、アルバート・ウェスカー役に『アンブレラ・アカデミー』のトム・ホッパー、レオン・S・ケネディ役に『ゾンビランド:ダブルタップ』のアヴァン・ジョーギア、そしてウィリアム・バーキン役に『イエローストーン』のニール・マクドノーがキャスティングされている。約2カ月ほどのコロナ禍での撮影を終え、作品は2021年9月に全米公開を予定されている。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。InstagramTwitter

■放送情報
『バイオハザード』
日本テレビ系にて、3月26日(金)21:00〜22:54放送
監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
製作総指揮:ロバート・クルツァー、ヴィクター・ハディダ、ダニエル・S・クレツキー、岡本吉起
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ミシェル・ロドリゲス、エリック・メビウス、ジェームズ・ピュアフォイ、マーティン・クルーズ、コリン・サーモン
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