アカデミー賞長編アニメ映画賞を予想 『鬼滅の刃』『音楽』など日本作品の評価は?

 日本からの6作品のエントリーのほか、海外有名スタジオの作品では、ディズニー&ピクサーの『2分の1の魔法』と『ソウルフル・ワールド』、ドリームワークス・アニメーションの『トロールズ ミュージック★パワー』と『The Croods: A New Age(原題)』、カートゥーン・サルーンの『ウルフウォーカー』、アードマン・アニメーションズの『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』などが並ぶ。実際の最有力候補となる作品について、小野寺氏は以下のように語る。

「今までピクサー、ディズニーの作品が選ばれてきた傾向からすると、大本命は『ソウルフル・ワールド』になるでしょう。前哨戦である第78回ゴールデングローブ賞でアニメ映画賞を受賞したことも大きいですし、ピクサーの製作における代表となったピート・ドクターが監督を務めているという事情などから、同スタジオが『2分の1の魔法』よりも『ソウルフル・ワールド』を推してくる可能性が高い。また、手描きの風合いを3DCGに組み合わせることで、洗練された独自の表現を達成した『ウルフウォーカー』も有力作品といえます。そして、昨年『パラサイト 半地下の家族』が作品賞に輝いたこともあって、これまでノミネート自体が難しかった、日本以外のアジアのアニメ作品にも注目が注がれ始めていると感じます。その意味では、アメリカと中国で共同製作した『フェイフェイと月の冒険』にもチャンスがありそうです」

 エントリー作が正式にノミネートされるのは、長編アニメ映画賞部門では5作品。『鬼滅の刃』はまた奇跡を見せてくるのだろうか。一種の春のお祭りとしてこの行方を楽しみたい。

関連記事