『呪術廻戦』第22話では伏黒恵の過去が明らかに 野球回から一転、ホラー調な新章の幕開け

 現在『週刊少年ジャンプ』で連載中、芥見下々原作のアニメ『呪術廻戦』(MBS/TBS系)。3月12日に放送された第22話「起首雷同」では、呪いによる殺人事件の真相を解明しに高専1年組が伏黒恵の地元を訪れる。

 前回の甲子園とは打って変わって、正統派ホラー作品としての始まり方をした「起首雷同」。マンションのオートロックが故障していると訴える男の背後に現れた呪い。時を同じくして玄関が閉まらない、自分の帰宅時だけ扉の様子がおかしいなどの共通点を持つ人間が刺殺されている。彼らの共通点は同じ中学出身ということで、何とそこは伏黒恵の母校でもあった。呪いの根源が伏黒の出身地、埼玉県に存在する心霊スポット「八十八橋」だったということも含めて、第22話は第1話以降、最もホラー要素の強い回かもしれない。

 原作者・芥見下々も「ホラー短編のような導入が書きたい」という意図で描いた、新章。ちなみにこの「八十八橋」についても「仙台市民なら知っているあそこ」とモデルの存在を言及している(仙台は虎杖の出身地でもある)。そことは、市内にある青葉山地区と八木山地区を繋ぐ竜ノ口渓谷にかかった一車線の橋「八木山橋」だ。自殺の名所として知られており、自動車事故も多く発生しているという曰く付きの橋。アニメで言及されているように普通に使われているが、地元民からは“霊能者が裸足で逃げる”とも言われているほどの最恐心霊スポットとして恐れられている。本編では、その橋からバンジージャンプ、つまり飛び降りるという行為をして肝試しをした者が呪われている。これにはモデルの八木山橋が“首吊り橋”として知られていたことが関係しており、身投げは昭和12年から13年にかけて特に多く見られたそうだ。虎杖悠仁と釘崎野薔薇、伏黒の3人が朝まで張り込みをしていた歩道の背景に見える、それはそれは高い柵がすべてを物語っている。

 しかし、そんなホラーな雰囲気も1年生トリオの仲睦まじさには敵わない。少年院以来の3人での任務ということで、行きの車内からずっと平和な空気感。新しく登場した補佐官の新田の相性も良く、虎杖と釘崎だけでなく伏黒のくだけた表情なども堪能できた。さて、これまで虎杖は第1話で「SASUKE全クリ、ミルコ・クロコップの生まれ変わり」と囁かれ“西中の虎”という異名まで持っていたという小話が語られ、釘崎も登場回で地元のエピソードが描かれた。そしてこの「起首雷同編」こそ、満を持しての伏黒回となっている。これまであまり自分のことを語らなかった、謎の多い伏黒の過去が垣間見えるのがポイント。実は中学時代に地元のヤンキーをボコボコにしていたという意外性や、何かの呪いによって寝たきりの状態になっている姉・津美紀の存在が明かされた。

 橋の呪いは時限爆弾のようなものであり、一刻も早く祓わなければならない。津美紀の身にも危険が迫る中、伏黒は虎杖と釘崎抜きの身一つで呪霊に立ち向かおうとする。しかし、もちろん両者は伏黒をひとりにさせるわけなく、結果彼が心を開いて3人で挑む。そう、これまで同級生もいずに1人で(時に五条と共に)任務に向かっていた彼にとって、今回は少年院の時のことを踏まえた、心身の成長が求められるのだ。