ロバート・ロドリゲスによる“ヒーロー集結作品” 『ヒーローキッズ』の痛烈なメッセージ

 本作の原題は、「We Can Be Heroes(私たちはヒーローになれる)」。それこそが、ロバート・ロドリゲス監督が子どものための映画を撮るなかで、たどり着いた一つの結論なのではないか。子どもに大人の“複雑な事情”を押し付けたり、頭から批判して力を見せつけるのではなく、子ども自身の子どもらしいまっすぐな発想を伸ばしてあげること。そして次の大人となる新しい世代が、屈折することなく、この世の中を良い方向に変えてほしい……。本作は、そんなメッセージを子どもたちに届け、大人たちには釘を刺しているのだ。

 このように優れたテーマによって、ヒーロー映画はただの空想や娯楽では終わらず、現実に接続する強靭な価値を獲得することになる。それは『アベンジャーズ』シリーズも同様である。

■小野寺系(k.onodera)
映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。Twitter映画批評サイト

■配信情報
『ヒーローキッズ』
Netflixにて配信中

関連記事