東アジア反日武装戦線を追うドキュメンタリー『狼をさがして』3月公開 森達也のコメントも
ドキュメンタリー映画『東アジア反日武装戦線(原題)』が、『狼をさがして』の邦題で3月27日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定した。
韓国映画評論家協会の独立映画支援賞や釜山映画評論家協会の審査委員特別賞を受賞した本作は、東アジア反日武装戦線を追ったドキュメンタリー映画。2000年代初頭、釜ヶ崎で日雇い労働者を撮影していた韓国のキム・ミレ監督が、一人の労働者から東アジア反日武装戦線の存在を知り、彼らの思想を辿るドキュメントを撮り始めた。出所したメンバーやその家族、彼らの支援者の証言を追うなかで、彼らの思想の根源が紐解かれていく。高度経済成長の只中、日本に影を落とす帝国主義の闇。彼らが抗していたものとは何だったのか。
1975年5月19日、世間を騒がせた“東アジア反日武装戦線”一斉逮捕のニュースが大々的に報じられた。人々を何よりも驚かせたのは、彼らの素顔が、会社員としてごく普通に市民生活を送る20代半ばの若者たちだったという事実であった。しかし、凄惨な爆破事件ばかりが人々の記憶に残る一方で、実際に彼らが何を考え、何を変えようとしたのかは知られていない。
あわせて公開されたポスタービジュアルは、狼の足跡を捉えたデザインとなっている。
また、本作をいち早く鑑賞した映画監督の森達也からは、「彼らは何を求めたのか。そして何を間違えたのか。時代は終わっていない。そこにかつて統治された国からの視点が重なる。事件から半世紀が過ぎかけているからこそ、僕たちは解釈の多様さを取り戻さなくてはならない」とコメントが寄せられている。
■公開情報
『狼をさがして』
3月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・プロデューサー:キム・ミレ
出演:太田昌国、大道寺ちはる、池田浩士、荒井まり子、荒井智子、浴田由紀子、内田雅敏、宇賀神寿一、友野重雄、実方藤男、中野英幸、藤田卓也、平野良子ほか
企画:藤井たけし、キム・ミレ
撮影:パク・ホンヨル
編集:イ・ウンス
音楽:パク・ヒョンユ
配給:太秦
2020年/DCP/モノクロ・カラー/74分/韓国
(c)Gaam Pictures
公式サイト:eaajaf.com
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