若葉竜也演じる小暮にもどうか幸あれ! 『おちょやん』鶴亀撮影所篇が終了
小暮と別れ、決意を新たにした千代は、鶴亀の社長(中村鴈治郎)が道頓堀につくる喜劇一座への所属を言い渡される。オーディションで千代の演技を見た社長は、彼女本来の魅力を見抜いていた。それは“カメラには収まりきれない実物の良さ”。別れの際、撮影所の守衛(渋谷天外)が千代を「忘れられん女優」と称したように、カメラ越しではわからない、けれど一度会えば虜になってしまう魅力が彼女にはある。最初は意地悪だった撮影所の大部屋女優たちもいつしか千代を仲間として受け入れ、朝が弱いカフェーの女給たちも珍しく早起きをして旅立つ千代を見送った。
そして、千代に匿名で花籠を贈った“謎の人物”。千代を何かと気にかけている一平なのか、実は千代の居場所を知っている弟・ヨシヲなのか、はたまた密かに千代を応援している一ファンなのか。誰にせよ、本人が思っている以上に千代は多くの人に愛されている。
「みんなから好かれて、友達もぎょうさんおる」。
散々場を荒らしていくとんでもない父親だが、誰もが幸せを願わずにはいられない千代の魅力をテルヲもわかっていたのだろう。
本日放送の『あさイチ』(NHK総合)では、テルヲを演じるトータス松本が「テルヲのいいわけスペシャル」と題してプレミアムトークに登場。“朝ドラ史上最悪の父親”と言われているテルヲだが、トータス自身も最初は彼の気持ちが理解できなかったと振り返る。
しかし、若くして亡くした妻・サエ(三戸なつめ)と真逆の性格を持つ栗子(宮澤エマ)と再婚した理由を「似てたら思い出してしまうから」と語るテルヲのセリフに心動かされ、「希望みたいなものを早い段階で失ったことによって、ものすごく傷ついたんやなって気がしたんですよね」と語った。
また、監督から「(テルヲは)解決策を何ひとつ持っていない。自分が幸せやったらみんなも幸せなはずやと本人は思っている。けど、なんでそうならへんのやろ?ってところでずっとグルグルしている人」と説明を受けたという。再び千代の前から姿を消したテルヲだが、今後また登場することがあれば、彼の本音や苦しみも少しずつ見えてくるのかもしれない。
■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/