井川遥「私たちは自由なのよ」 『おちょやん』千代の指針となる百合子からのメッセージ

井川遥「私たちは自由なのよ」 『おちょやん』千代の指針となる百合子からのメッセージ

 火曜日、水曜日、木曜日と、これで3日目である。「さようなら」「違うな」という高城百合子(井川遥)と村川(森準人)のラリーは。大幹部の看板女優と妥協知らずの映画監督の意地の張り合い。8時ぴったりに始まり、同じような画角、画面左下の「『太陽の女 カルメン』撮影現場」というテロップに「タイムループしてるのか……?」と思わず訳の分からない考察をしてしまう。正しくは、それほどまでに同じシーンを何日にも渡って撮影し続け、OKが出なかったという手の込んだ演出描写だ。

 『おちょやん』(NHK総合)第34話では、昨日の放送で芽生えた千代(杉咲花)の小暮(若葉竜也)への初恋が、早々に散ることとなる。一つ前の『エール』も、そのまた前の『スカーレット』においても、主人公の初恋が実らないのは朝ドラの悲しきセオリー。実に2日という驚きの記録に、裕一(窪田正孝)や喜美子(戸田恵梨香)ら、歴代の朝ドラ主人公が落ち込む千代を慰める光景がぼんやりと浮かんでこなくもない。

 失恋のきっかけは、小暮が百合子に思いを寄せていたことが発覚することから。その百合子は『カルメン』での相手役の小竹(小堀正博)と駆け落ち。簡単な相関図にすると「千代→小暮→高城⇄小竹」である。その駆け落ちの兆しは、百合子が千代に言い聞かせた「私たちは自由なのよ」というセリフにも表れていた。

 レイチェル……ではなく、「岡安で会った女中」と認識し、正式に再会を果たした千代と百合子。前回は鶴亀株式会社に、舞台役者から映画役者へと転向するように命じられての抵抗だったが、今回は監督の演出に納得が行かずの逃亡。その先にいたのが、またしても千代だったというわけだ。

 千代は「そんなにお芝居が好きなら自分でやってみたら? 一生一回、自分が本当にやりたいことやるべきよ」という百合子の言葉を胸に女優を志した。そんな女優の卵が、自分の言葉をきっかけに生まれたと知り百合子も上機嫌(覚えてないけど)。「この世界で生きていく覚悟があるなら遠慮しては駄目。使えるものは何でも使いなさい」と、百合子は片金所長(六角精児)を通じて、千代がいい役につけるようにコネを回す。その百合子から千代への置き土産が、ニュー『カルメン』での若妻役への抜擢だ。

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